ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

4人のももクロと歌割り 坂崎幸之助のももいろフォーク村 第80夜『フォーク村』第80夜記念「Re:Re:」(改題)

坂崎幸之助のももいろフォーク村 第80夜『フォーク村』第80夜記念「Re:Re:」(改題)

 ライブとしては横浜アリーナでのバレンタインイベントが最初になるが、その前に今回のフォーク村が有安杏果卒業後の最初の「4人のももクロ」の披露となる。すでに相当数(13曲)のももクロ楽曲が披露されることが明らかになっているので、フォーク村ではおそらくダンスはないと思われるが、4人のももクロのパフォーマンスはどうなのか、歌割りはどうなるのかというのがとりあえずの注目である。  

 歌割りで個人的に注目というか、予想しているのは普通に考えれば「4人で埋める杏果パート」シフト、つまり従来の杏果パートをできるだけ負担のないように残りの3人に割り振るというのがまず予想されているところが、私がいろいろ考えてみたところ、それ以外のアイデアもありうるのではないかと思われてきた。

 なかでもひょっとしたら有効ではと私が最近思い出したのが、夏菜子シフト。従来も歌いだしや曲のサビ部分など曲の肝となるパートは曲の特性に合わせてまず夏菜子、そして杏果が担当することが多かった。そこでこの案では音域が高かったり、フェイクなど技術的に難しいような杏果パートをほぼそのまま夏菜子に担当させ、その代わりに夏菜子の担当していた部分は主としてれにが担当するという案。特に従来夏菜子の独壇場だった感情のすべてをぶつけて歌うをれにがやるというのは最近のれにの向上した歌唱力、「Hanabi」「希望のかなた」、あーりんと2人版の「白い風」などでみせる大サビの透明感に満ちて天上の声が聞こえるがどうかという歌唱などを聞くと検討してみてもいいのではないかと思ったのだ。これはもちろん、すべての楽曲についてそうだというのではなくて、こうした工夫で新しい「れに曲」が誕生するのではないかという楽しみもある。

 音域が高い杏果パートを誰が肩代わりするかということになれば音域だけを考えればあーりんということになりそうで、このためにはあーりんの歌唱の一段の進化が必要不可欠なのだが、歌唱における表現力を含めて考えると夏菜子という選択肢はありえると考えている。いずれにせよ、ももクロはスタートした時のそれぞれの持ち味から「れに曲」「杏果曲」「詩織曲」「あーりん曲」などと位置づけられたそれぞれ数曲を除くとすべてのメインボーカルを夏菜子が務めてきたが、残りの3人の歌の実力が向上してきたいま、あるいは向上することが必須条件として求められた現在、杏果卒業を好機と捉えてより拮抗した構成に組み替えるというのもありかもしれない。

   さて、ここからは実際の番組を見ての感想。ももクロの歌以外の曲を4人がカバーすることは一度もなかったし、毎回やっていた楽器演奏も今回はなかった。

AnlyとMiyuuというギター弾き語り系のシンガーソングライターがシークレットゲストでやってきたが、ももクロ曲を弾き語りで披露してさえ、コーラスに入るという程度のコラボもなかったから、杏果が卒業を発表して以来、映画主題歌や声優出演の件もあり、本当に時間的な余裕がなかったんだなと思った。ももクロメンバーはゲストが曲を披露している間、ただ座って聴いているだけで番組の半分弱の尺をこれで取ってしまっているため、予想通り批判の声もあがっていたが、ももクロ楽曲をメンバーそれぞれがソロで歌うというブロックやいずみさんが加わり、披露した『5人』の「コノウタ」、村長が参加しての「灰とダイヤモンド」と後半は充実していた。

   歌割りがまだ未決定という事情もあるが、今後夏菜子以外の3人は自分の推し曲がそれぞれ増えるはず。宮本純乃介らが中心になって新しい歌割りの検討を始めているはずだが、杏果パートをこの日歌った「桃色空」のあーりん。ソロコンでも確かこの曲を歌っているし、以前も「ピンクなんだからあーりんの曲でしょ」って言っていたから、きくちPのリクエストだということになってはいたけど明らかにあーりん、自らこの曲は獲りにいっているでしょ(笑)。

 れにちゃんも詩織ちゃんも欲しい曲狙っていった方がいいよ。私の曲だからと思って油断しておっとり構えていると取られちゃうよ(笑)。逆に「ゴリラ・パンチ」はあーりん曲にすべきだと思ってるんだけれど、れにちゃんが油断していると今度はあーりんに「推されたいだから」などと押し付けられるかもよ。盛り上がるいい曲ではあるので「れに曲」でもいいかもだけれど*1

 

 

セットリスト
M01:キミノアト  (村長&ももクロももクロ)
M02:桃色空 (ももクロももクロ)

M03:Re:Re: (Anly&MiyuuAsian Kung-Fu Generation)

M04:Come Together (Anly&村長/The Beatles)
M05:ACROSS THE UNIVERSE (Miyuu&村長/The Beatles)
M06:Southern Waves (MiyuuMiyuu)
M07:Venus (AnlyAnly)
M08:ROCK THE BOAT (Miyuuももクロ)
M09:泣いてもいいんだよ (Anlyももクロ)
M10:ピンキージョーンズ (夏菜ももクロ)
M11:スターダストセレナーデ (れにももクロ)
M12:青春賦 (しおりんももクロ)
M13:ヘンな期待しちゃ駄目だよ…? (あーりん佐々木彩夏 with ももメイツ)
M14:サラバ、愛しき悲しみたちよ (ももクロももクロ)
M15:走れ!  (ももクロももクロ)
M16:コノウタ (ももクロ加藤いづみももクロ)
M17:灰とダイヤモンド (ももクロ&村長/ももクロ)
M18:HAPPY Re:BIRTHDAY (ももクロももクロ)
M19:四つ葉のクローバー (村長かまやつひろし)

*1:あーりんと詩織はやるのを嫌がるような気がする

有安杏果 ももクロとしての最後のライブ 「ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」@幕張メッセ 

ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」(幕張メッセ) @AbemaTV

 

 

ももいろクローバーZが1月21日(日)に幕張メッセ(9〜11ホール)で大型ライブ『ももいろクローバーZ 2018 OPENING 〜新しい青空へ〜』を開催、会場に29,765人、ライブビューイングに7,472人の計37,237人を動員した。同時にAbemaTVでも無料放送がされ、総視聴者数(累計)220万人(音楽ライブとしては史上最高)を記録した。

  以下、この日で卒業となった有安杏果推しのモノノフ(ももクロのファン)としてこの日のライブをAbemaTV中継で見た印象を書き記す。杏果の卒業についてはもちろん予想外で不意を衝かれたのは確かだが、最初はそれほど大きなショックを受けたというわけではなかった(ように思われた)。 

  ももクロから卒業するだけで音楽活動などは続けると思っていたからだ。しかし、衝撃を受けたのは今回は杏果がただももクロを脱退するというだけでなく、スターダストプロモーションキングレコードとも契約を解消し、芸能活動自体をとりやめるということだったからだ。こちらの方は相当な衝撃で今もそれは後を引いている。*1

 劇団などでは俳優の入れ替わりは常時あるし、それはアイドルでも同じだが、ももクロは国立競技場公演を成功させたあたりから、ザ・ドリフターズSMAP、嵐のように長く継続した活動ができる初の女性グループになるというのが、ひとつの目的になってきており、メンバーの玉井詩織高城れに百田夏菜子らが折に触れ、それを強調していたからだ。そして、それは当然すぎる前提ゆえに毎回それが口にされることはなかったが、現在の5人のメンバーでというのが前提だったからだ。

 ももクロの5人はそこに向かって5人でのパフォーマンスの力を向上させ、それぞれがソロ活動にも取り組んできた、という風に思っていた。しかし、今回、有安杏果が卒業を発表したことで、全員がそろっての強い意思というわけではなかったということが表面化した。有安は抜けて、残った4人がももクロを続けていくことになった。

 今から考えてみると杏果は国立競技場での挨拶でもファンへの感謝こそ語ったりはしても「ももクロの存続」などについて自ら口にしていたことはなかった。それはいつかこういう日が来ることを本人も分かっていたからかもしれない*2

 この日のライブは5人でやる最後のライブということもあり、基本的には杏果が卒業するというセレモニーは最後の方で少しやるだけで、杏果がいる間にファンであるモノノフに、そしてAbemaTVなどを通じてファン以外にも、「ももクロのパフォーマンス」の最高到達点を見せ付けると言う意味があったのかもしれない。

 なかでも素晴らしい出来栄えだったのが「灰とダイヤモンド」「白い風」のバラード曲。ファン以外にはももクロは踊りながら歌う人というイメージが強いため、バラードのイメージは一般の人にはあまりないかもしれないが、踊らないで歌に専念すれば実はどれだけ歌唱力が高いのかを見せつけるのがこうしたバラード曲群。もちろん、杏果の役割は大きいがこの日はほかの4人も絶好調で、ともにこれまでで最高水準のパフォーマンスを披露できたのではなかっただろうか。「灰とダイヤモンド」はこれまで太宰府天満宮に奉納した時のものが最高と思い込んでいたが、映像を見返してみたらその時の空気感などを度外視して純粋にそれぞれの歌のアンサンブルのみを考えたらこの日が最高だったと思う。「灰とダイヤモンド」という曲名がツイッターのトレンド入り(日本1位、世界17位)したらしいが、これもこの曲のパフォーマンスの素晴らしさが一般の人にも感銘を与えたからではないか*3。ただ、これは逆に言えば「灰ダイ」の杏果パートを誰が歌うのかなど只者ではないハードルの高さを逆に見せ付けられることにもなったはずだ))。

 「BLAST!」「DECORATION」といった超絶技巧の最近の曲もこの日はダンス、歌唱ともに「さすが」のパフォ力を見せたのだが、これも4人でこなすのは生半可なことではないと思う。

  

 セットリストを見ると新旧の楽曲がほどよくミクスチャーされている。そういう中で杏果個人に照明を当てた杏果曲(「words of the mind 〜brandnew journey〜」「ゴリラ・パンチ」)のほかに5人のメンバーあるいは5色の色に焦点を与えているために今後は封印とまで言わなくても、特別な理由でもない限りやりにくくなりそうな楽曲(「Z伝説」「モノクロデッサン」)も披露。「行くぜっ!怪盗少女」をお蔵入りさせることはないであろうが、これも現体勢で見せる最後になるわけで、曲割や振り付けを相当根本的に変更しない限りは現状の小変更では難しい曲のひとつなのだ。ただ、単にダンス、歌唱力の優れたメンバーを失うというだけでひとり抜けるのはももクロにとっては相当以上に大きな痛手であることは間違いない。

 意外だったのは「女祭り」でのパフォーマンスなどある意味、杏果を象徴する曲だったともいえる「コノウタ」を歌わなかったことだ。これはひょっとしたらこの次の大きなライブである4人のスタートとなるヴァレンタインのライブで歌うことにしたため温存したかなと想像した。

 

 

 

 

 

 

 

ももいろクローバーZ 2018 OPENING 〜新しい青空へ〜』セットリスト

Z伝説〜終わりなき革命〜

未来へススメ!

ゴリラパンチ

仮想ディストピア

白い風

行く春来る春

ツヨクツヨク

words of the mind 〜brandnew journey〜

BLAST!

DECORATION

行くぜっ!怪盗少女

灰とダイヤモンド

走れ! -Z ver.-

モノクロデッサン

新しい青空へ

あの空へ向かって

 

 

 

*1:その後インフルエンザで倒れてしまいなんとか回復したものの、LVは断念して家でAmebaを見ているので、実際は自分で考えている以上に打撃を受け、弱っているのかもしれない

*2:少なくともこのことについては杏果自身は嘘をついてはいないし、騙されたと怒っているモノノフもいるようだが、杏果がそれを口にしていない以上それはファンの勝手な思い込みだということになると思う

*3:条件は違うとはいえももいろ歌合戦の時のリベンジを果たした形にはなった

有安杏果がももクロ卒業を発表 スタダとの契約も解除、引退へ

simokitazawa.hatenadiary.jp

4人のももクロに感謝  有安杏果ももクロ卒業を発表

最初に杏果のブログを見て思ったのは「嘘だろう」。より正確に言えば「嘘であってくれ。信じがたい」だった。その後、事実関係に誤りがないことが判明して、事実としての「杏果の卒業」は受け入れざるを得なくなったが、卒業以上にショックを受けたのは早見あかり(あかりん)や私立恵比寿中学の愛ぁぃぁぃのようにソロ活動のためのグループ離脱というわけではなくてスターダストプロモーションとの契約も解除して芸能生活からの引退を発表したことである。

    通常こうした「引退」を発表しての離脱は芸能界では移籍のための布石であることが多いし、杏果の場合もそういう憶測は今後出てくるとは思うのだけれど、ももクロというグループのこれまでの経緯やスターダストプロモーションという会社の組織のあり方からすると考えにくい。今のところ昨年から杏果がやめることは決まっていて、メンバーもそれを知っていたということ以上の事情は明らかになっていない。今日の夜の配信番組で杏果も含むメンバー全員が出演してのもう少し詳しい説明があるようなので、それを待ってから判断したいと思われるが、例えば今回の引退が結果的に再デビューなどを含んでいるとしても、今回はこれ以上のことは出てこないというか出さないのではないかと思っている。   

   続きを。夜の配信、ネットメディアなどで明らかになったことはほぼ予想通りだった。杏果の卒業は芸能界引退であり、その理由は「普通の女の子になりたいから」。納得はもちろん出来ないけれど、これ以上のことは今後もおそらく明らかにはならないだろうということも分かった。

   現在の私自身の気持ちとしてももクロではなくても杏果には何らかの形で表現活動を継続してほしい。シンガーとしての復活を待ち望んではいるが、それが写真や何か別のことでもいいと思っている。それを長い目で待ちたいと思う。

   もうひとつは今回のことがももクロ解散につながらなくてよかったということだ。特に今回の杏果卒業があってから、自分なりに考えたくてSMAP解散のことについて書いた一昨年夏の「桃神祭」ライブ2日目の書き込み*1を読んで、結果的には今回のような形で決着したけれど、個人的にはどのひとりが抜けてもももクロは解散だろうと思っていたわけだし、杏果卒業で今後グループはどうするかというのは解散という選択肢も含め徹底的に話し合われただろうということに気がついたからだ。

   そして、我々ファンにとって幸運なことに残された4人と川上プロデューサーを含む陣営ははももクロの継続を選んだ。このことまず感謝せねばと思う。

 

矢部昌暉(DISH//)が出演  『池袋ウエストゲートパーク』@東京芸術劇場シアターウエスト


『池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE』開幕!

池袋ウエストゲートパーク』@東京芸術劇場シアターウエス

 
原作 石田衣良(『池袋ウエストゲートパーク』文春文庫刊)

脚本 柴 幸男
演出・美術 杉原邦生
振付 北尾 亘
作詞 柴幸男/杉原邦生/森翼RYUICHI(OOPARTZ)

作曲 JUVENILE(OOPARTZ)湯浅篤/齋藤優輝/兼松衆

出演

大野拓朗
矢部昌暉(DISH//)

塩田康平
海老澤健次
大音智海
尾関陸
加藤真央
小島ことり
笹岡征矢
高橋駿一
富田大樹
細川優
三井理陽
伊東佑華(Wキャスト)
徳永純子(Wキャスト)
田中佑弥

 染谷俊之

  

 

ヒップホップ系の群舞と歌によるミュージカル風の舞台という意味では池袋を舞台にした日本版の「ウエストサイドストーリー」といった趣きがある音楽劇。恋愛要素がほとんどないのが大きな違いだが、冒頭、ひとりの男が「20年も前の昔話だ」などと回想として語り始めて物語が始まるのは、「ウエストサイドストーリー」の原作でもあるシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の「序詞」の趣向を取り入れたのかもしれない*1
  それでこの話は現代ではなくて原作の小説「池袋ウエストゲートパーク*2が描いた20年近く前の池袋を舞台として展開していくことが提示される。
   本編の開演前にヒップホップ系ダンスチームによるダンスバトルがあって、毎回ゲストの他にチームヤクシャと称して出演キャストによるチームも参加している。
  バトルは勝ち抜き戦でフリーダンスでのダンスバトル形式になっているが、私が見た回では出演者チームが勝利を収め、そのまま実際の舞台の冒頭シーンに流れ込み、回想シーンによる一端の中断はあるが、バトルで盛り上がった空気がそのまま青い衣装を着た集団のダンスへとつながっていく。

  テレビドラマでは長瀬智也が演じた真島誠役を演じているのが大野拓朗。どこかで見た名前だと思ったら、現在放送中のNHK朝ドラ「わらってんか」で芸人のキース役を演じていた。冒頭の「回想のセリフ」の件「ロミジュリ」を連想したのは事実関係としては間違っていたのかもしれないが、大野拓朗はミュージカル版「ロミオとジュリエット」でロミオ役を演じたばかりでもあり、当然、柴はそれを知った上で戯曲を書いていそうで関連性がまったくないわけでもないようだ。

  キャストで驚いたのは尾崎京一役でスターダストプロモーションのダンスロックバンドDISH//のメンバーである矢部昌暉が出演していたことだ。もっとも超特急などと一緒で一時的にももクロの弟分のような言い方とされていた時期もあったので、PV映像などは何度か見たことがあるが、DISH//にどんなメンバーが所属しているかを知っているほどではないので、後付けで知ったのではあるが、京一役の俳優とそのダンスが異彩を放っていて「こいついったい何者だ」と思わせたのも確かで、キャラ的に神秘的なところもあって、なかなかの当たり役だったと思う。
 実はダンスバトルがやられた場所は作品内でさまざまな出来事が展開される「舞台」でもあるのだけれど、これは通常の客席のほかに舞台の奥にも客席が設営されていて、2方向から観客に囲まれる風になっている。舞台上方には杉原邦生が用意した舞台装置として巨大な「IWGP」の文字が吊るされていて、これはもちろん「池袋ウエストゲートパーク」の頭文字ではあるのだが、私のような年寄りにはその下に広がる「バトルフィールド」と相俟って、新日本プロレスがかつて開催したIWGP(「International Wrestling Grand Prix)」を連想させる。
 すなわち、ここは格闘技が戦われるリングにも見えてくるし、一方で東京芸術劇場の隣に今もあり、物語の中ではカラーギャング集団「G-Boys」と「Black Angels(舞台版ではRed Angels)」の最終決戦が戦われる池袋西口公園池袋ウエストゲートパーク)でもあるのだが、そのすべてを「IWGP」の4文字が象徴するように作られているのだ。
 

*1:と考えたがこれはおそらく原作小説が一人称の回想体で書かれていたからと考えるべきだろう

*2:小説『池袋ウエストゲートパーク』は1998年文芸春秋社から刊行。有名なドラマ版は2000年放送

ゆく桃くる桃!第1回ももいろ歌合戦 ももクロカウントダウンライブ完全生中継


【ゆく桃くる桃】「恋愛レボリューション21」矢口真里withももメイツ


【ゆく桃くる桃】「蒼い星くず」加山雄三withももいろクローバーZ

ゆく桃くる桃!第1回ももいろ歌合戦 ももクロカウントダウンライブ完全生中継

    ももクロカウントダウンライブ「 ゆく桃くる桃!」は2部構成で、第1部は大物を含むゲスト歌手を招いての「第1回ももいろ歌合戦」、第2部はダウンタウンももクロバンド(DMB)も入ってのももクロのガチンコライブでこの途中で夏菜子のエビ反りジャンプでのカウントダウンが入った。

   ここでは詳細を説明することはしないがももクロと彼女らを率いる川上アキラはデビュー以来ずっとこの芸能界を支配する「大人の事情」で総称されるような何かと戦い続けてきた。今回の「第1回ももいろ歌合戦」はおそらく、ももクロ紅白歌合戦から正体不明の落選ではじき出されて以来考えられていたもので、これまでのももクロの活動の集大成とでも言っていいものだった。

 ももクロには何の後ろ盾もないが、そうした中で生き残っていくための最大の戦略は個人と個人とのつながりであり、今回ももいろ歌合戦にはさだまさし加山雄三氣志團田中将大小林幸子らが参加したが、これらはすべて個人と個人の信頼関係で参加してくれたのだ。

 考えてみれば横浜アリーナ2DAYS(2012年)で1日目2日目と内容をガラリと変え、1日目「ももクロ春の一大事2012 〜ももクロ☆オールスターズ〜」には通常はアイドルグループが招くことはありえないようなベテランミュージシャン・芸人(ザ・ワイルドワンズ青空球児・好児横森良造)を招き、昭和的なバラエティー要素満載のステージを展開。翌日は一転して「ももクロ春の一大事2012 〜見渡せば大パノラマ地獄〜」と題して円形ステージでのガチンコライブを敢行したが、今回の第1部「第1回ももいろ歌合戦」、第2部「ももクロカウントダウンライブ」の2部構成は数段グレードアップした水準において、6年弱の年月を経て、この時やろうとした「アーティストとしての振り幅を見せる」(佐々木敦規)という演出意図を再び実行したものだ。

 さらに言えばメンバーも次々入れ替わってしまうから、ファンとアイドルという関係以外にはなりにくい女性アイドルグループにおいて、そうではない関係性を培ってきたのがももクロの特色で、しかもそれを1回性のものとはせずに一度培った関係は次へとつなげる。実は今回参加してくれたアーティストの中には本格的な共演はこれが初と言う人(指田フミヤ、大黒摩季米良美一水前寺清子)もいたわけだが、例えば大黒摩季ももクロとのコラボを気に入ってくれて「曲を提供したい」と言ってくれたことなど、例え本人に若干はサービストーク的な意味合いがあったとしてもももクロ陣営は絶対に聞き逃さないはず。水前寺清子が「これは5回、10回と続けていくことが大事」と言ってくれたことなどは今回の最大の収穫だと思う。
    一方で10代に人気の井上苑子や演歌系の新人の塩乃華織も参加したが、彼女たちは今回は紅白に選ばれていないが、今後いつお呼びがかかってもおかしくない存在だろう。
     今回は矢口真里森口博子、松本明子ら地上派テレビではバラエティータレントとしてしか遇されていない元アイドルにフル尺で持ち歌を歌わせたのはよかったと思う。「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~2015ver.」でアニソンの歌い手としての貫禄を見せつけた森口博子はもちろんよかったが、この日の白眉と思わせたのは矢口真里ももクロのメンバー3人を従えて歌い踊った「恋愛レボリューション21」。人気アイドルグループの看板メンバーだった実力はだてではないと見せ付けた。もともとモー娘。の熱烈なファンでもあった3人も一緒に出来た嬉しさが伝わってくるパフォーマンスだった。


 ももいろ歌合戦についてテレビ関係の仕事をしている知人は所詮あれはお遊びで「紅白歌合戦」のパロディーだからというようなことを話していて、彼の考え方が全てではないだろうけれど「テレビ関係者の反応はやはりその程度なんだな」という点では予想通りだった。
   とはいえ、私は今回のももいろ歌合戦はももクロ陣営が現在できる範囲で「私たちの考える紅白歌合戦」を体現させてみたものであり、けっして紅白のパロディーではないと思う。
    東京03角田晃広を出演させた前半はともかく、後半は紅白歌合戦を何度も経験しているベテラン勢が並ぶ。そんな中でも本人が歌いたい歌をフル尺でとのコンセプトもあり、紅白では絶対に歌うことがないであろう「存在理由」を小林幸子が、ラップ版の「蒼い星くず」をももクロサイプレス上野らを擁して加山雄三が歌うというのはももいろ歌合戦だからこそできたことだろう。
   ももいろ歌合戦はほぼ明確に「NHK紅白歌合戦」に喧嘩を売っていたけれど、一方でももクロカウントダウンイベント終了後すぐにさだまさしが「朝まで生さだ」を収録中の両国国技館に向かいNHKの同番組に出演、リハなし生歌で「走れ!」を披露した。ももクロが理不尽な理由ではじき出された現体制での紅白歌合戦とは一線を引きながら、NHKと喧嘩するわけではないと明確化したのはよかったと思う。現に夏菜子の朝ドラ出演に続き、1月5日開始のNHKドラマ「女子的生活」では玉井詩織が主人公の友人役で出演するわけだし、「グレートトラバース 3」には引き続き応援団的な役割で出演。すでに収録済みのJ-MELOライブも来月にはNHKワールドほかで放送される予定で、NHKとの関係自体が疎遠になっているわけではないからだ。ここから先は単なる憶測にすぎないが、紅白復帰はともかくとしてJ-MELOライブやMTVアンプラグドなどの実績を武器にしてももクロが次に標的としているのは「SONGS」じゃないかと思う。この番組これまでアイドルはほとんど出演したことがなく、しかも製作総括がももクロを紅白が紅白から外れた年に紅白の担当だった人じゃないかと思うので、大きなハードルはあるはずだが。

 


概要
パシフィコ横浜国立大ホールから3年連続でももいろクローバーZカウントダウンライブ完全生中継!海側ロビーでのガチンコ3・栗本柚希無料コンサートも夜7時から独占中継

「ゆく桃くる桃へのカウントダウンコンサート」ガチンコ3愛来鈴木萌花・雨宮かのん・栗本柚希・コアラモード・奥澤村はちみつロケット


<内容>
ももいろ歌合戦出演ゲスト=井上苑子大黒摩季加山雄三氣志團小林幸子サイプレス上野ロベルト吉野・指田フミヤ・さだまさし・塩乃華織・水前寺清子・松本明子・米良美一森口博子ももいろクローバーZ田中将大東京03飯塚悟志

 

 


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第1回ももいろ歌合戦

ももクロ
01. サイプレス上野とロベルト吉野「ぶっかます」
02. ももいろクローバーZ「何時だって挑戦者」
03. 塩乃華織「イエスタディにつつまれて」
04. 松本明子 with れにメイツ「♂×♀×KISS」
05. 指田フミヤ & Kanakoo「花になれ」
06. 大黒摩季 feat. ももいろクローバーZら・ら・ら
07. 小林幸子「存在証明」
08. 加山雄三 feat. ももいろクローバーZサイプレス上野とロベルト吉野「蒼い星くず」

田中将大
01. 氣志團「乙伝説 ~月末ビンボー ももいロックンローラー乙のテーマ~」
02. 井上苑子「だいすき。」
03. 角田晃広東京03)「ろくなもんじゃねえ」
04. 森口博子「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~2015ver.」
05. 矢口真里 with 佐々木彩夏玉井詩織高城れに恋愛レボリューション21
06. 米良美一 & TeddyLoid with 有安杏果もののけ姫 2018 feat.米良美一
07. さだまさし feat. ももいろクローバーZほか「たくさんのしあわせ」
08. 水前寺清子「いっぽんどっこの唄」

・オールキャスト「三百六十五歩のマーチ
ももクロカウントダウンライブ with ダウンタウンももクロバンド」

01. 仮想ディストピア
02. 行くぜっ!怪盗少女(曲途中でカウントダウン)
03. ゴールデンヒストリー
04. 夢の浮世に咲いてみな(KISSポール・スタンレー、ジーン・シモンズの応援メッセージに呼応)
05. BLAST!
06. 走れ! -Z ver.-
07. Z女戦争
08. MOON PRIDE
09. 天国の名前
10. サラバ、愛しき悲しみたちよ布袋寅泰の応援メッセージに呼応)
11. 今宵ライブの下で
12. 白金の夜明け