ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

有安杏果 ももクロとしての最後のライブ 「ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」@幕張メッセ 

ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」(幕張メッセ) @AbemaTV

 

 

ももいろクローバーZが1月21日(日)に幕張メッセ(9〜11ホール)で大型ライブ『ももいろクローバーZ 2018 OPENING 〜新しい青空へ〜』を開催、会場に29,765人、ライブビューイングに7,472人の計37,237人を動員した。同時にAbemaTVでも無料放送がされ、総視聴者数(累計)220万人(音楽ライブとしては史上最高)を記録した。

  以下、この日で卒業となった有安杏果推しのモノノフ(ももクロのファン)としてこの日のライブをAbemaTV中継で見た印象を書き記す。杏果の卒業についてはもちろん予想外で不意を衝かれたのは確かだが、最初はそれほど大きなショックを受けたというわけではなかった(ように思われた)。 

  ももクロから卒業するだけで音楽活動などは続けると思っていたからだ。しかし、衝撃を受けたのは今回は杏果がただももクロを脱退するというだけでなく、スターダストプロモーションキングレコードとも契約を解消し、芸能活動自体をとりやめるということだったからだ。こちらの方は相当な衝撃で今もそれは後を引いている。*1

 劇団などでは俳優の入れ替わりは常時あるし、それはアイドルでも同じだが、ももクロは国立競技場公演を成功させたあたりから、ザ・ドリフターズSMAP、嵐のように長く継続した活動ができる初の女性グループになるというのが、ひとつの目的になってきており、メンバーの玉井詩織高城れに百田夏菜子らが折に触れ、それを強調していたからだ。そして、それは当然すぎる前提ゆえに毎回それが口にされることはなかったが、現在の5人のメンバーでというのが前提だったからだ。

 ももクロの5人はそこに向かって5人でのパフォーマンスの力を向上させ、それぞれがソロ活動にも取り組んできた、という風に思っていた。しかし、今回、有安杏果が卒業を発表したことで、全員がそろっての強い意思というわけではなかったということが表面化した。有安は抜けて、残った4人がももクロを続けていくことになった。

 今から考えてみると杏果は国立競技場での挨拶でもファンへの感謝こそ語ったりはしても「ももクロの存続」などについて自ら口にしていたことはなかった。それはいつかこういう日が来ることを本人も分かっていたからかもしれない*2

 この日のライブは5人でやる最後のライブということもあり、基本的には杏果が卒業するというセレモニーは最後の方で少しやるだけで、杏果がいる間にファンであるモノノフに、そしてAbemaTVなどを通じてファン以外にも、「ももクロのパフォーマンス」の最高到達点を見せ付けると言う意味があったのかもしれない。

 なかでも素晴らしい出来栄えだったのが「灰とダイヤモンド」「白い風」のバラード曲。ファン以外にはももクロは踊りながら歌う人というイメージが強いため、バラードのイメージは一般の人にはあまりないかもしれないが、踊らないで歌に専念すれば実はどれだけ歌唱力が高いのかを見せつけるのがこうしたバラード曲群。もちろん、杏果の役割は大きいがこの日はほかの4人も絶好調で、ともにこれまでで最高水準のパフォーマンスを披露できたのではなかっただろうか。「灰とダイヤモンド」はこれまで太宰府天満宮に奉納した時のものが最高と思い込んでいたが、映像を見返してみたらその時の空気感などを度外視して純粋にそれぞれの歌のアンサンブルのみを考えたらこの日が最高だったと思う。「灰とダイヤモンド」という曲名がツイッターのトレンド入り(日本1位、世界17位)したらしいが、これもこの曲のパフォーマンスの素晴らしさが一般の人にも感銘を与えたからではないか*3。ただ、これは逆に言えば「灰ダイ」の杏果パートを誰が歌うのかなど只者ではないハードルの高さを逆に見せ付けられることにもなったはずだ))。

 「BLAST!」「DECORATION」といった超絶技巧の最近の曲もこの日はダンス、歌唱ともに「さすが」のパフォ力を見せたのだが、これも4人でこなすのは生半可なことではないと思う。

  

 セットリストを見ると新旧の楽曲がほどよくミクスチャーされている。そういう中で杏果個人に照明を当てた杏果曲(「words of the mind 〜brandnew journey〜」「ゴリラ・パンチ」)のほかに5人のメンバーあるいは5色の色に焦点を与えているために今後は封印とまで言わなくても、特別な理由でもない限りやりにくくなりそうな楽曲(「Z伝説」「モノクロデッサン」)も披露。「行くぜっ!怪盗少女」をお蔵入りさせることはないであろうが、これも現体勢で見せる最後になるわけで、曲割や振り付けを相当根本的に変更しない限りは現状の小変更では難しい曲のひとつなのだ。ただ、単にダンス、歌唱力の優れたメンバーを失うというだけでひとり抜けるのはももクロにとっては相当以上に大きな痛手であることは間違いない。

 意外だったのは「女祭り」でのパフォーマンスなどある意味、杏果を象徴する曲だったともいえる「コノウタ」を歌わなかったことだ。これはひょっとしたらこの次の大きなライブである4人のスタートとなるヴァレンタインのライブで歌うことにしたため温存したかなと想像した。

 

 

 

 

 

 

 

ももいろクローバーZ 2018 OPENING 〜新しい青空へ〜』セットリスト

Z伝説〜終わりなき革命〜

未来へススメ!

ゴリラパンチ

仮想ディストピア

白い風

行く春来る春

ツヨクツヨク

words of the mind 〜brandnew journey〜

BLAST!

DECORATION

行くぜっ!怪盗少女

灰とダイヤモンド

走れ! -Z ver.-

モノクロデッサン

新しい青空へ

あの空へ向かって

 

 

 

*1:その後インフルエンザで倒れてしまいなんとか回復したものの、LVは断念して家でAmebaを見ているので、実際は自分で考えている以上に打撃を受け、弱っているのかもしれない

*2:少なくともこのことについては杏果自身は嘘をついてはいないし、騙されたと怒っているモノノフもいるようだが、杏果がそれを口にしていない以上それはファンの勝手な思い込みだということになると思う

*3:条件は違うとはいえももいろ歌合戦の時のリベンジを果たした形にはなった