ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

有安杏果ソロライブ映像「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」を購入

有安杏果ソロライブ映像「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」を購入

 

昨年10月20日(金)に日本武道館で行われた、有安杏果ソロライブ「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」が、3月28日(水)にLIVE Blu-ray & DVDとして発売されました。LIVE Blu-ray & DVD「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」はLIVE CD付やフォトブックレット付など全4形態での発売。

 

■商品概要
LIVE Blu-ray & DVD「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」
発売日:3月28日(水)

Blu-ray
○ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5 LIVE Blu-ray【初回限定盤】
KIXM-90321〜2
Blu-ray2枚+CD2枚組
11,000円+税
デジパック&BOX仕様
フォトブックレット付

○ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5 LIVE Blu-ray【通常盤】
KIXM-321〜2
Blu-ray2枚組
7,500円+税
デジパック仕様

<DVD>
○ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5 LIVE DVD【初回限定盤】
KIBM-90721~3
DVD3枚+CD2枚組
10,000円+税
デジパック&BOX仕様
フォトブックレット付

○ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5 LIVE DVD【通常盤】
KIBM-721~3
DVD3枚組
6,500円+税
デジパック仕様

■収録内容
Blu-ray & DVD
*「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」LIVE映像

【セットリスト】
01. 小さな勇気
02. 心の旋律
03. Catch up
04. ハムスター
05. feel a heartbeat
06. ありがとうのプレゼント
07. First Love
08. ペダル
09. Choo Choo TRAIN
10. Drive Drive
11. 裸
12. 愛されたくて
13. 遠吠え
14. TRAVEL FANTASISTA
15. 色えんぴつ
16. ヒカリの声
<アンコール>
17. 教育
18. 逆再生メドレー
19. Another story
<ダブルアンコール>
20. feel a heartbeat(アコギ ver.)

*映像特典:
・大分~東名阪~仙台(「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.0.5〜1.3」)特選LIVE映像(仮)
・ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5 メイキング映像(仮)

○CD ※初回限定版のみ
仙台・武道館(「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.3&1.5」)LIVE音源(仮)

【特典CDセットリスト】※初回限定版のみ
01. ヒカリの声
02. 心の旋律
03. Catch Up
04. ハムスター
05. feel a heartbeat
06. First Love
07. ペダル
08. Another story
09. Drive Drive
10. 裸
11. 愛されたくて
12. 遠吠え
13. TRAVEL FANTASISTA
14. 色えんぴつ
15. ありがとうのプレゼント
<アンコール>
16. 教育
17. 逆再生メドレー
18. 小さな勇気
<ダブルアンコール
19. 小さな勇気 合唱(アコギ ver.)

※収録内容・仕様等は変更になる場合もございます。

▼特設サイトはこちら!
http://evilline.com/momoclo/kokoro_no_senritsu/

 



「ダンスパフォーマンスとしてのアイドル Perfume×ももクロ×乃木坂 ~振付家に聞く~」@SCOOL セミネールin東京vol.3

** 「ダンスパフォーマンスとしてのアイドル Perfume×ももクロ×乃木坂 ~振付家に聞く~」@SCOOL セミネールin東京vol.3
2018年4月24日19時半~
主宰・中西理(演劇舞踊評論)
ゲスト・木皮成(振付家・ダンサー)
www.youtube.com
www.youtube.com
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 演劇あるいはコンテンポラリーダンスを対象に開催してきたレクチャー、今回はコンテンポラリーダンスのダンサー、振付家である木皮成をゲストに招き、ダンスの専門家の解説を交えて、パフォーミングアーツの世界から見たアイドルのパフォーマンス(特にダンス)について議論していきたいと考えています。
  取り上げるアイドルについてはPerfumeももいろクローバーZ。さらに多人数のグループアイドルの代表としてゲストの木皮成も少なからず関係したことがある乃木坂46を中心にアイドルのダンスとはどういうものなのかについて考えていきたいと思います。
   木皮成さんはダンサー・振付家。映画「幕が上がる」の先輩の出演劇団の場面で登場する「デジタル」(木皮成とうさぎストライプ)の振付担当し出演も。アイドルに関連しては乃木坂46「アンダー」の振付を担当。近作では木ノ下歌舞伎「勧進帳
のダンス部分を振付しています。


【演目】レクチャー担当 中西理
ゲスト・木皮成(振付家・ダンサー)
www.sharakusei.com

【日時】2018年4月24日(火)p.m.7:30
【場所】三鷹SCOOL にて
【料金】前売:2000円
 当日:2500円 (+1drinkオーダー)

 【予約・お問い合わせ】
●メール simokita123@gmail.com (中西)まで お名前 人数 お客様のE-MAIL お客様のTELをご記入のうえ、 上記アドレスまでお申し込み下さい。ツイッター(@simokitazawa)での予約も受け付けます。
 電話での問い合わせ
090-1020-8504 中西まで。

ameblo.jp

 


http://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/10001213

「幕が上がる」プロジェクトの終着駅 青年団第78回公演『銀河鉄道の夜』@さいたま市 プラザノースホール

 青年団第78回公演『銀河鉄道の夜』@さいたま市 プラザノースホール

 

 


原作:宮沢賢治
 作・演出:平田オリザ

 

  「銀河ステーション――。」
―星まつりの夜、一人寂しく夜空を見上げるジョバンニの耳に突如響く車掌の声。親友カンパネルラとともに"本当の幸せ"を求めて様々な星座を旅し、二人の旅の行き着く先は―

出演
井上みなみ 富田真喜 小林亮子 中村真生 鄭亜美
 スタッフ
舞台美術:杉山 至
 照明:西本 彩
 映像:ワタナベカズキ
映像操作:島田曜蔵
 衣裳:有賀千鶴 正金 彩
 舞台監督:河村竜也
 制作:有上麻衣

 



    ももクロが主演した映画と舞台の「幕が上がる」。その中で高校演劇部の部員役を演じた彼女らが演じたのがこの平田オリザ版の「銀河鉄道の夜」だった。もっともこの作品は映画公開以降に青年団の手により、上演されたことはなく、私は2012年頃にももクロに注目するずっと以前から平田オリザの舞台は見ているが、「銀河鉄道の夜」については今回が初の観劇となった。
   通常の劇評で言えば平田オリザがこの宮沢賢治の有名な童話にどのような思いをこめて子供向けの童話劇として上演する事にしたのかなどの疑問を解き明かすところから、書くべきなのであろうが、今回は偶然にも映画、演劇版でカンパネルラ役を演じた有安杏果ももクロを卒業して日もあまり経っていない時点での上演だったこともあり、いろんな思いがこみあげてきて、冷静に受け取ることが難しかった。
   「幕が上がる」プロジェクトと書いたのには理由がある。平田オリザが小説「幕が上がる」を書いたのは欧州ツアーをやるための子供向け作品として「銀河鉄道の夜」を創作した直後で、小説の中で主人公の高校生たちが上演することになるのが「銀河鉄道の夜」で、その意味で平田オリザ版「銀河鉄道の夜」と小説「幕が上がる」は前者がなければ後者はなかった、あるいはまったく異なるものとなっていたという意味で親子のようなものだといってもいいかもしれない。
 そして次の章は「幕が上がる」を原作に映画かドラマを作って、一般の人に演劇について啓蒙できないかと考えていた平田とかねてから平田の演劇に私淑していた人気映画監督、本広克行の出会いである。実は平田はドキュメンタリー映画「演劇1」「演劇2」の神戸での上映会でのアフタートークでアイドルを主演させて自らが書いた小説「幕が上がる」を映画に出来ないかなどと語っていて、その時はおそらく具体的なイメージがあったわけではないと思うが、たぶんぼんやりイメージしていたのはAKB48グループだと思われる。
 それで本広監督とどこかで会った時にその話をしたことがあって、今度はそれからしばらくたってももクロトーク企画に監督が呼ばれた。それはももクロの川上アキラマネジャーが以前に担当していたタレントが本広監督の映画に出た際にその撮影を見たことがあり、監督のことを好ましく思っていた。そのため将来はメンバーに本格的な演技の勉強をさせようとも思っていたこともあり、本広監督を呼ぶことにしたのだ。
 一方で、こちらがどの段階でどのような意思決定が誰の手によってなされたかはっきりしないのだが、ももクロ主演の映画「幕が上がる」を撮影するだけではなく、その撮影の舞台裏をドキュメンタリー映画にした「幕が上がる その前に」も同時に制作。
 それだけにとどまらず次には舞台版「幕が上がる」も制作上演するとともに、平田オリザ脚本の「転校生」を本広監督が演出し上演したのも大きな意味で「幕が上がる」プロジェクトの一環だったといってもいいかもしれない。
 そして、このプロジェクトは実は「幕が上がる その後に」とでもいうべき続編も準備され、喜安浩平によるシナリオもほぼあがっていたらしい。しかし、計画は頓挫した。それというのもプロジェクトが失敗したからではなく、大成功しすぎたためだ。演劇部の後輩役で出演していた芳根京子NHKの朝ドラ「べっぴんさん」のヒロインに抜擢されたほか、吉岡里帆も2015年下半期の「あさが来た」の出演で注目を浴び、伊藤沙莉ももクロ百田夏菜子がやはり朝ドラの重要な役柄で出演と後に続いた。さらにいえば黒木華ムロツヨシも超売れっ子となっており、キャストが再結集することさえ、絶望的なのだ。
 とはいえ、完全に続編の可能性が閉ざしたのは「幕が上がる」で夏菜子に次ぐ主要キャストである中西悦子役を演じた有安杏果ももクロ卒業だった。舞台版「幕が上がる」のラストはこの日の「銀河鉄道の夜」と同じジョバンニとカンパネルラの別れの場面なのだが、「幕が上がる」では有安杏果演じる中西悦子が玉井詩織のジョバンニと別れて「いつか、どこかで」」の言葉を残して天上へと消えていった。この日の舞台にはもちろん杏果はいなかったけれどやはり映画、舞台の「幕が上がる」で印象的な役割を果たした井上みなみがジョバンニを演じ、カンパネルラは天上へと消えていった。そして、その消えていくカンパネルラの姿は舞台版の杏果の演技と二重写しになり、それは1月21日にももクロを卒業、私たちの目の前から消えていった杏果の姿と重ならざるを得ない。私たちが「いつかどこかで」彼女と会える日は来るのだろうか?

映画「幕が上がる」@WOWOWを観劇し杏果卒業を想う


ももクロ夏菜子と杏果の名シーンについて【幕が上がる】

** 映画「幕が上がる」@WOWOWを観劇し杏果卒業を想う

 「幕が上がる」は映画自体は平田オリザの原作小説を基にしながらもももクロのファンにとっては過去にももクロに起こった様々な出来事を想起するように作られている(特に早見あかり脱退のエピソードとの関連性)。

 

 それゆえに(それなのに)この映画を今見るとこの映画の時には予想もしていなかった有安杏果の卒業との偶然の符合をそこここで感じてしまい、本当にせつなくなった。そして、それ以上にこの映画があり、この時の杏果と4人がまるでタイムカプセルのようにいまもスクリーンの向こうで輝いていてくれることに感謝したい思いでいっぱいだ。

 教師をやめて役者への道を選んだ吉岡先生はまるでももクロを卒業することを皆につげ、疾風のように去っていった杏果のようだと思った。この映画のなかで杏果は中西さんを演じていて、それは女優として素晴らしい出来栄えだと今でも思うのだけれど、手紙だけを残して皆の前から消え去ってしまった吉岡先生こそが杏果だ。残された高橋さおりら演劇部のメンバーは名状できないようないろんな思いを呑み込みながら大会に臨むのだけれど、それこそが10周年記念ライブに臨む今の4人の姿ではないか。今はこの映画はどうしてもそんな風に見えてしまう。
  ただ、有安杏果という人はいつも自分のことを過小評価しがちな人だからあえていいたいのだが、「幕が上がる」での女優、有安杏果は本当に素晴らしかった。杏果は中西悦子(中西さん)という役を演じていたのだが、私はスクリーンの中の中西さんにひと目見た瞬間に恋に落ちた。とはいえ、それは杏果が演じた人物ではあったが杏果とはまったく違う人間だった。ももクロの他のメンバーもそれぞれ魅力的に役を演じたが、こういうことが出来たのは杏果だけだった。そういうことのできる女優はそんなに多くはない。だから、この映画を見て女優「有安杏果」の活躍に大きな期待をしていたのだ。
   
 上に引用した駅舎の場面はこの「幕が上がる」を象徴するような場面だが、ここには2人の才能豊かな若手女優の瞬間のキラメキを見てとることができるだろう。
 百田夏菜子有安杏果夏菜子がゆっくりとではあるが、朝ドラ、声優と女優への道を歩き始めているだけに杏果がそれをやめてしまったのは本当に惜しいと思う。
 杏果が今後どんな生き方を目指すにせよ、日本を代表する女優事務所を自らやめてしまったことで、女優という選択肢はきわめて厳しくなった。そのことが残念でならない。
   数年後、青年団が豊岡に移転して、東京ではあまり話題にならなくなってしまった後の欧州ツアーのキャストのなかに中西悦子という耳馴れぬ女優の名前があり、あれそんな子青年団にいたっけ、どこかで聞いた記憶があるんだけど、地元で採用した新人かな……なんていう妄想を抱いたりもするのだが、可能性は限りなく低いだろう(笑)。