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ジャブジャブサーキット「非常怪談」

 ジャブジャブサーキットの「非常怪談」(作演出はせひろいち4/26=池袋シアターグリーン)は奇妙な味の余韻を残す鮮やかな幕切れが忘れ難い良質のホラー劇だった。


 舞台はある地方の家の台所。家では恋沼家の主人志郎の通夜が営まれており、台所では家人や親類、近所の人がその準備に追われている。スタイルは冒頭の同時多発の会話をはじめ、一見、青年団や方言も交じることで弘前劇場を連想させるものとして、始まるが、こうしたリアルさは日常的な世界の構築より、日常とは懸け離れた異常な事態への前振りなのが、はせの特色である。


 物語の中盤、冒頭から登場していたモスグリーンの服を着た男をはじめとするなんとも不可解な三人組が活躍し、モスG男が突然、冷蔵庫のなかからキュウリを取りだして食べ、その正体が判明するあたりから、一見単なる日常の光景を描く群像会話劇のように見えていたこの芝居がそんなものではないことに気づく。その後は哲郎の隠し子を名乗る女性の登場をはじめ淡々とした冒頭とは一変して次々と起こる劇的な事件。そして、クライマックスで幽霊がついに登場する。しかし、怪談という割に怖くないじゃないと思った瞬間、最後の背負い投げをくらう。
「本当に怖いのは幽霊でなく人間の心」という皮肉な結末が印象的だった。