ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

SIF(しがこうげんアイドルフェスティバル)DAY2

DAY2 8/6(日)
9:45頃〜15:00頃
第1回アイドルヤングライオン

1 3B junior
2 わーすた
3 アイくるガールズ
4 Pottya
5 ゆるめるモ!
6 チャオ ベッラ チンクエッティ
7 ロッカジャポニカ
8 ワンダーウィード
9 GEM
10 いぎなり東北産
第3回 振りコピコンテスト
ヘビー級アイドル
15:00頃〜
9 東京女子流
10 たこやきレインボー
11 チームしゃちほこ

SIF(しがこうげんアイドルフェスティバル)

DAY1 8/5(土) DAY2 8/6(日)
第1回アイドルヤングライオン
10:00頃〜14:30頃
       
1 CROWN POP    
2 AKAGIDAN     
3 notall        
4 はちみつロケット
5 桜エビ〜ず     
6 DEVIL NO ID     
7 S★スパイシー     
8 PALET         
9 あゆみくりかまき
10 ばってん少女隊
    
ヘビー級アイドル
14:30頃〜

11 アップアップガールズ(仮)   
12 たこやきレインボー    
13 私立恵比寿中学        

ももいろクローバーZの夏ライブ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2017」は8月5、6日の2日間にわたり味の素スタジアムで開催されるのだが、朝から開演時間までの”時間を使って様々なイベントが開催される。そのうち今回の目玉となりそうなのが、SIF(しがこうげんアイドルフェスティバル)というアイドルフェスティバル。小規模な形ではこれまでも開催されてきたが、今回はサブステージとなる味スタ外周エリアの広大な敷地が利用できることもあり、このエリアだけで1万人規模の集客が可能なこともあって、スターダストの後輩グループからも私立恵比寿中学、チームしゃちほこなどアリーナ規模の動員が可能なグループやすでにZEPPツアーをこなしたたこやきレインボー、外部からもアップアップガールズ(仮)東京女子流とキャリアのある実力派グループも参戦。

 ちょうど時期的に裏で(もちろん、普通に考えたらこちらが表だが)にまるかぶりのスケジュールで開催されているトーキョーアイドルフェスティバル(TIF)に参加グループの数ではかなわないまでも、メンツ的には充分に対抗できる陣容となっている。

 アイドル自体がそんなに大好きというわけではないのだけれど、今回はももクロの現場で無料に見られるということもあり、アイドル全般を経験できるせっかくの機会だから早起きして出掛けることにした。この日の注目のは7人になってしまってから初めて生で見ることになる私立恵比寿中学。唯一2日間フル出場のたこやきレインボーはどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。

「春の一大事」でライブを見てステージングに感心させられたあゆみくりかまきもまた見てみたい。スタダの若手勢では3Bの予選を勝ち抜き勢いのあるはちみつロケットばってん少女隊がメジャーデビュー組の意地を見せることができるのか。

あゆみくりかまきがよかった。モノノフが中心であろう客層を確実に引き入れて巻き込んでいく、ステージングの巧みさにはやはり、感心させられたし、端的にいってヘビー級アイドルの3組と比べて歌唱力では見劣りしないほどだ。

今回のSIFではチケットに投票券がついていて会場に投票箱があってパフォーマンスがよかったアイドルヤングライオン杯の参加アイドルに投票できるようになっている。実は参加グループのパフォーマンスの成否を観客が決めるという試みはももクロが所属するスターダストプロモーションでは過去2回開催した実績がある。第1回となったSSAでの「俺の藤井」では1曲ごとの1対1勝ち残りの対決形式で行い、最終的な優勝はももクロに譲ったものの超戦闘的なセットリストで一度はももクロエビ中を撃破し、勢いのよさを見せつけた。若手グループだけが参加した第2回では東京ではほぼ初披露でまったくのノーマークだったいぎなり東北産が優勝。すでにメジャーデビューを果たしているグループにより大きな別会場で行われていたライブへの出場権を獲得した。

そういう因縁もあってこの日の10組のうち、もっとも優勝への執念を燃やしていたのがはちみつロケットかもしれない。出演グループを絞り込み、スタダ以外のグループへの参加枠を確保する目的もあってか、3Bjuniorのユニットでは予選が行われ、そこで1位となったはちロケが代表として、出演出来なかったメンバーの思いも背負って、SIFに出演してきた。さらに本命視されていた前回の「藤井」での同種企画で先述のように東北産の勢いに逆転負けを喫していた。こともあってか、アイドルのライブにそういう言葉を使うのもどうかとも思うが、凄まじい気迫を感じさせるパフォーマンスだった。最近はライブも増えてきてはちロケのオリジナル曲を並べ自分たちの存在をアピールすることもできたろうに最初の曲を3Bjuniorのオリジナル曲からはじめたのも勝利への強い意思を感じさせた。

実は後述するが最終的な投票結果ではスタダ系のグループが上位を独占。ネット上には他のグループのファンから身内は強いなどと結果を揶揄する声も上がっていたようだが、現地で見ていた私の印象からいうと少し違う。

ほぼ全グループが「優勝」のみを狙っていてそのためにどうしたらいいかに思案を重ねていたスタダ勢と新たな観客層に向けて魅力的なパフォーマンスを見せることであわよくばファンの取り込みを計ろうという他からの参加グループではSIFへの参加の動機がまるで違うのだ。

 もっとも気合の入っていたのははちみつロケットかもしれない。出演グループを絞り込み、スタダ以外のグループへの参加枠を確保する目的もあってか、3Bjuniorのユニットでは予選が行われ、そこで1位となったはちロケが代表として、出演出来なかったメンバーの思いも背負って、SIFに出演してきた。さらに本命視されていた前回の「藤井」での同種企画で先述のように東北産の勢いに逆転負けを喫していた。こともあってか、アイドルのライブにそういう言葉を使うのもどうかとも思うが、凄まじい気迫を感じさせるパフォーマンスだった。

 スタダ勢の取り組み方を象徴するのがいろんな意味でSIF1日目のパフォーマンスの白眉となったばってん少女隊であろう。おそらく、この日のアイドルヤングライオン杯の出場グループの中で歌や観客を沸かせるパフォーマンス力でもっとも実力が抜きんでていたのはあゆみくりかまき(あゆくま)だった。ばってん少女隊はその直後かつこの日のライオン杯の最後の順番が割り当てられており、どう考えても普通にパフォーマンスをこなしたのではあゆくまの前にかすんでしまうのが必定だった。それでどうしたか。反則ギリギリ場外戦のようなプロレス的な戦いを仕掛けてきたのだ。

 プロレスにマイクパフォーマンスというのがあるがばっしょーの冒頭あいさつはまさにそれだった。

 「味の素スタジアム、しがこうげんフェスティバルにお集まりのモノノフのお客様、ようこそばってん少女隊です。今日はももクロ夏のバカ騒ぎ、皆さんはもちろんバカになるためにやって来てることでしょう。私たちもももクロさんのステージ、とっても楽しみです。その前にこのしがこうげんフェスティバル、SIFって言うんですか、投票してチャンピオンを決める。これっていったい何のチャンピオンなんですか?そりゃあこのステージに立たせてもらって、歌わせていただけるというのは、とってもありがたいことなんだけど、何でここで争わなきゃいけないのか。これからばってん少女隊なりのバカ騒ぎを披露させていただきますけど、ばってん少女隊を応援してくださるお客様。これからのステージを見てばってん少女隊に票を入れようと思ってくださるかもしれないお客様、その投票用紙、箱に入れる必要はございません。どうぞ記念にお持ち帰りください」と集まった客を挑発したうえで、行ったパフォーマンスは何と「おっしょい!」というひとつの曲だけをループして7回繰り返すという衝撃的なものだった。

 かなり激しい曲で最初は曲を知らないでいた観客も繰り返すうちにコールや振付を覚えてきて、一緒に盛り上がり、トランス状態になって会場の一体感を醸し出すが、おそらく30度半ば、照りつける日差しで体感温度では40度近いとも思われる中で何度も繰り返し延々と続くとも思われるパフォーマンスで体力的に限界になり、気が遠くなってきた。

 この曲は結局、8回目の途中で鐘が鳴るとそのまま打ち切られてメンバーは何も言い残さずにステージ袖へとはけていったが、しばらく「あれは一体何だったんだ」と呆然としているうちにヘビー級アイドルのたこやきレインボーのパフォーマンスが始まってしまい結局、この日は投票をすることはできなかったのだ。同様の人は他にもいたはずであゆくまはこのばってん少女隊のパフォーマンスのせいで呑み込まれてしまった感があり、だいぶ損をしているような気がする。もちろん、これはただの想像にすぎないけれどこのパフォーマンスがなければあゆくまの得票はもう少し多くて上位のスタダグループに肉薄していたのではないかと思う。

範宙遊泳「その夜と友達」@横浜STスポット

範宙遊泳「その夜と友達」@横浜STスポット

ちょうどボブディランがノーベル文学賞を受賞する頃、とある住宅街を目的もなく散歩していた時、どこかの家の換気扇の排気口から漂う晩御飯の匂いに触発されてこの演劇を着想した。それは嗅覚を次の四ツ辻まで奪い去るような筑前煮の甘辛い匂いだった。べつにポトフの匂いだったとしてもおそらくこの演劇をつくることになったと思う。でもきっと筑前煮でなければ「その夜と友達」というタイトルの演劇にはならなかった。この演劇には2人の男と1人の女が登場する。2人の男と1人の女といえばその常套手段として三角関係を描くのか、と思いきや今作はそれを本意とするものではなく友情の話である。友情といえど残念ながらいわゆる「青春」にはならない。青春だと感じる余裕もなく、ただそこでのそのそと生活する人々のちょっと風変わりな話だ。これは壁(排気口)の向こうの時間と匂いについての物語である。
山本卓卓

作・演出:山本卓卓
出演:大橋一輝(範宙遊泳) 武谷公雄 名児耶ゆり

スタッフ:
音楽|涌井智仁 アートディレクター|たかくらかずき 映像|須藤崇規
美術|中村友美 照明|富山貴之 衣裳|藤谷香子(FAIFAI) 舞台監督|櫻井健太郎
演出助手|藤江理沙 デザイン|金田遼平 広告写真|齊藤翔平
当日運営|田中亜実 制作助手|川口聡 制作|柿木初美 制作統括|坂本もも

協力|プリッシマ FAIFAI ロロ 急な坂スタジオ 森下スタジオ ローソンチケット
助成|芸術文化振興基金 公益財団法人セゾン文化財
共催|STスポット
企画制作・主催|範宙遊泳 さんかくのまど

青年団若手自主企画vol.70 笠島企画「笑い話・別れ話・割り切れない話」@スタジオ春風舎

作・演出:笠島清剛
出演 村田牧子、鄭亜美、伊藤毅、坂倉花奈、尾崎宇内、折舘早紀、中藤奨(以上、青年団)、小田原直也
スタッフ

舞台監督 :伊藤毅青年団
照明:黒太剛亮(黒猿)
音響:瀬野豪志(蘇音)
舞台美術:渡辺瑞帆(青年団
宣伝美術:内田圭
制作:寺田凜(青年団
総合プロデューサー:平田オリザ
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
技術協力:大池容子(アゴラ企画)

青年団若手自主公演笠島企画「笑い話・別れ話・割り切れない話」@アトリエ春風舎観劇。税理士事務所を舞台に男女の恋愛模様をあれこれ。鄭亜美、坂倉花奈、折舘早紀ら青年団女優陣のキュートな魅力にノックダウン。男たちの情けなさぶりも見所だ。