ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

「Musee du ももクロ ~アートの学びをデザインする~」に期待する

www.cinra.net

simokitazawa.hatenadiary.jp

natalie.mu

Musee du ももクロ ~アートの学びをデザインする~

 ももクロがアートを学び、紹介するという番組「Musee du ももクロ ~アートの学びをデザインする~」が2月15日から毎週木曜日にテレ朝動画でスタートすることになった。

   詳しい内容は番組が実際に始まってみないと分からないのだが、監修に以前からももクロと懇意な武蔵野美術大学空間演出デザイン学科の片山正通教授(インテリアデザイナー、ワンダーウォール代表)が入り、第1回はあーりんが原美術館でロケ。出演者に韓国出身のモデルで武蔵野美術大学大学院造形研究科在学中のベック(片山教授の教え子?)や美術評論家の橋本麻里が告知されている。

 原美術館では現在『現代美術に魅せられて―原俊夫による原美術館コレクション展』が開催されており、現代美術を俯瞰してみる入門編としては最適の展示ともいえる。あーりんはモノノフに美術好きでも知られるが、好きで見ているのは印象派からせいぜいピカソぐらいと見られ、冒頭にこの美術館を持ってきたことに現代美術も含めてアートの最前線にも触れ合ってもらおうという番組側の並々でない意欲が感じられる。

 美術作家とのトークやアートパフォーマンス鑑賞なども内容の一部として紹介されているので、ぜひももクロライブにも関わったことのある真鍋大渡とのトークも取り上げてほしい。個人的には以前、ももクロのパフォーマンスと関連して論じた(上記)ことがあるニブロールや東京デスロックの作品鑑賞などもどこかで入れてほしいと思う。

 

モノノフによるアイドルミステリ 太田忠司「万屋大悟のマシュマロな事件簿」

太田忠司「万屋大悟のマシュマロな事件簿」

太田忠司「万屋大悟のマシュマロな事件簿」読了。著者のミステリ作家、太田忠司さんは玉井詩織推しのモノノフ(ももいろクローバーZのファン)。この本の主人公は元SPの警備会社社長、万屋大悟。娘が地方都市に活動の拠点を置く、5人組のローカルアイドル「marshmallow15(いちご)」のリーダーをやっていて愛称は「ちおりん」(万屋知識)。コアな観客が十数人というローカルなアイドルではあるが、この5人組、最初は6人いたが、活動初期にひとりが離脱して現在は5人など明らかにあの国民的5人組女性アイドルグループを思わせるところがありありなのだ。

 ミステリファンだけではなく、モノノフ必読の一冊。これを原作にぜひテレビドラマをなど言いたいところだった*1のだが、実はこの本を読んでいる途中で杏果の卒業が発表になってそれどころじゃなくなった。歌が一番上手いメンバーの脱退騒動などの顛末もあり、現実のシンクロ具合いがしゃれではすまない。読んでいて胸が痛くなる場面が随所に出てくるのだ。

 私は緑推しではあるけれどもうこうなったら、作者にはここまで書いたならあのメンバーはきちんと脱退、ソロ歌手デビューをさせてあげてほしい。そして、4人となったアイドルグループの後日談もちゃんと書いてほしい。そして、「万屋大悟のマシュマロな事件簿」では万屋大悟は活躍してもメンバーの活躍の場面は限られていたから、今度は赤川次郎の「四姉妹探偵団」のようにメンバーの4人も事件解決に関与するようなものにしてほしい。その方がドラマ化の可能性も上がるのじゃないかと思うのだが……。

 

万屋大悟のマシュマロな事件簿

万屋大悟のマシュマロな事件簿

 

 

*1:ドラマになったことはないのに表紙に遠藤憲一が使われていることなど作者自身にその色気ありありである

映画「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」@新宿バルト9


映画『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』予告

映画-Saki-阿知賀編 episode of side-A」@新宿バルト9

  映画「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」は「咲-Saki-」の続編。キャストにアイドルや若手女優を揃え、漫画、アニメの原作にそっくりなルックス、役柄作りをさせるという方針で映画化しているのが特徴。

 アイドルではいろんなグループが参加しているが、スターダストプロモーションでは前編に私立恵比寿中学エビ中)所属(当時)のぁぃぁぃが出演したこともあってか今回は物語の中心となる阿知賀女子学院のメンバー5人のうちのひとり、鷺森灼役にエビ中中山莉子が選ばれた。ライバル校、千里山女子高校のエースで1巡先を見通すという特殊能力の持ち主、園城寺怜役にチームしゃちほこの咲良菜緒が抜擢されたほか、江口セーラ役に桜エビ~ずの水春が起用された。

 おそらくキャスティングはオーディションもあったと思われるため、前回のぁぃぁぃの高評判もあって、選ばれた3人以外にもスタダ勢は大挙して駆けつけたんじゃないかと思うのだが、その中で勝ち残ったのが3人。

 中でもライバル高校の選手ながらも病身を鞭打ち、最強の白糸台、宮永照を相手に準決勝先鋒戦で死闘を繰り広げた園城寺怜は全出演者のなかでも印象的な存在。咲良菜緒はこの準主役級といってもよい役どころを見事に演じきったが、これはもうけ役だったのではないか。とはいえ、チームしゃちほこの中でもさばさばとした性格に見えて、病弱感がまったくない咲良が本当にこの役柄でよかったのかどうかというのは若干疑問を感じなくもないのだが。

 映画のセリフとしてもっとも印象的だったのは深山幽谷の主、高鴨穏乃の「そこはもうあなたのテリトリーじゃない」という言葉。物語のもうひとりの主人公である咲があやつるリンシャンカイホウはすべてこの「深山幽谷の主」が支配する牌の山の最も奥にある。はやく決勝戦が見たい。果たして咲はそのエリアでは大星淡の支配力も天江衣の支配力も無効化する穏乃に立ち向かうことができるのだろうか。

 

原作:小林 立、作画:五十嵐あぐり

阿知賀女子学院. 高鴨 穏乃:桜田 ひより 新子 憧:伊藤 萌々香 松実 玄:恒松 祐里 松実 宥:渡邉 幸愛 鷺森 灼:中山 莉子. 千里山女子高校. 園城寺 怜:咲良菜緒 清水谷 竜華:小倉優香

奇跡の5人の到達点 「MTV Unplugged: Momoiro Clover Z」@MTV

MTV Unplugged(MTVアンプラグド): Momoiro Clover Z」@MTV 

セットリスト
1. サラバ、愛しき悲しみたちよ 
2. WE ARE BORN 
3. DNA 狂詩曲 ●
4. BLAST! 
5. モノクロデッサン 
6. 今宵、ライブの下で
7. ⽩い⾵ ●
8. ⻘春賦
9. マホロバケーション
10. ⾏くぜっ!怪盗少⼥
11. ⾛れ!
12. MOON PRIDE
13. 灰とダイヤモンド

●はテレビでは放映されず。

 これほど楽しみしていたライブ放映もなかったのだが、それがこれほど胸を締め付けられるような気持ちに変わってしまうとは……。アンプラグドでのももクロが素晴らしいということはフォーク村での演目でもある程度分かっていたことだが、このライブは格段の集中力で文字通り「5人のももクロ」の集大成だった。CSでの放送ゆえに一般の人の目に触れにくいのがもどかしい。このライブの映像を一度でも見たら「ももクロは歌が下手だ」などという人はいなくなると思うのに。アンプラグドだといつものライブよりもより、個々の声が粒だって聞こえてくる。それゆえに単純に素晴らしいというだけにとどまらず、「BLAST!」「灰とダイヤモンド」など分かりやすいソロ歌唱部分だけではなく、5人の声が重なる部分などでの下ハモなど縁の下の力持ち的な役割で、杏果が支えてきた部分がももクロ特有のユニゾンやハーモニーに貢献してきたかが、はっきりと分かった。それは「灰とダイヤモンド」の歌詞ではないが今後4人で越えていかなければならない壁の巨大さを改めて感じさせるものでもあった。

4人のももクロと歌割り 坂崎幸之助のももいろフォーク村 第80夜『フォーク村』第80夜記念「Re:Re:」(改題)

坂崎幸之助のももいろフォーク村 第80夜『フォーク村』第80夜記念「Re:Re:」(改題)

 ライブとしては横浜アリーナでのバレンタインイベントが最初になるが、その前に今回のフォーク村が有安杏果卒業後の最初の「4人のももクロ」の披露となる。すでに相当数(13曲)のももクロ楽曲が披露されることが明らかになっているので、フォーク村ではおそらくダンスはないと思われるが、4人のももクロのパフォーマンスはどうなのか、歌割りはどうなるのかというのがとりあえずの注目である。  

 歌割りで個人的に注目というか、予想しているのは普通に考えれば「4人で埋める杏果パート」シフト、つまり従来の杏果パートをできるだけ負担のないように残りの3人に割り振るというのがまず予想されているところが、私がいろいろ考えてみたところ、それ以外のアイデアもありうるのではないかと思われてきた。

 なかでもひょっとしたら有効ではと私が最近思い出したのが、夏菜子シフト。従来も歌いだしや曲のサビ部分など曲の肝となるパートは曲の特性に合わせてまず夏菜子、そして杏果が担当することが多かった。そこでこの案では音域が高かったり、フェイクなど技術的に難しいような杏果パートをほぼそのまま夏菜子に担当させ、その代わりに夏菜子の担当していた部分は主としてれにが担当するという案。特に従来夏菜子の独壇場だった感情のすべてをぶつけて歌うをれにがやるというのは最近のれにの向上した歌唱力、「Hanabi」「希望のかなた」、あーりんと2人版の「白い風」などでみせる大サビの透明感に満ちて天上の声が聞こえるがどうかという歌唱などを聞くと検討してみてもいいのではないかと思ったのだ。これはもちろん、すべての楽曲についてそうだというのではなくて、こうした工夫で新しい「れに曲」が誕生するのではないかという楽しみもある。

 音域が高い杏果パートを誰が肩代わりするかということになれば音域だけを考えればあーりんということになりそうで、このためにはあーりんの歌唱の一段の進化が必要不可欠なのだが、歌唱における表現力を含めて考えると夏菜子という選択肢はありえると考えている。いずれにせよ、ももクロはスタートした時のそれぞれの持ち味から「れに曲」「杏果曲」「詩織曲」「あーりん曲」などと位置づけられたそれぞれ数曲を除くとすべてのメインボーカルを夏菜子が務めてきたが、残りの3人の歌の実力が向上してきたいま、あるいは向上することが必須条件として求められた現在、杏果卒業を好機と捉えてより拮抗した構成に組み替えるというのもありかもしれない。

   さて、ここからは実際の番組を見ての感想。ももクロの歌以外の曲を4人がカバーすることは一度もなかったし、毎回やっていた楽器演奏も今回はなかった。

AnlyとMiyuuというギター弾き語り系のシンガーソングライターがシークレットゲストでやってきたが、ももクロ曲を弾き語りで披露してさえ、コーラスに入るという程度のコラボもなかったから、杏果が卒業を発表して以来、映画主題歌や声優出演の件もあり、本当に時間的な余裕がなかったんだなと思った。ももクロメンバーはゲストが曲を披露している間、ただ座って聴いているだけで番組の半分弱の尺をこれで取ってしまっているため、予想通り批判の声もあがっていたが、ももクロ楽曲をメンバーそれぞれがソロで歌うというブロックやいずみさんが加わり、披露した『5人』の「コノウタ」、村長が参加しての「灰とダイヤモンド」と後半は充実していた。

   歌割りがまだ未決定という事情もあるが、今後夏菜子以外の3人は自分の推し曲がそれぞれ増えるはず。宮本純乃介らが中心になって新しい歌割りの検討を始めているはずだが、杏果パートをこの日歌った「桃色空」のあーりん。ソロコンでも確かこの曲を歌っているし、以前も「ピンクなんだからあーりんの曲でしょ」って言っていたから、きくちPのリクエストだということになってはいたけど明らかにあーりん、自らこの曲は獲りにいっているでしょ(笑)。

 れにちゃんも詩織ちゃんも欲しい曲狙っていった方がいいよ。私の曲だからと思って油断しておっとり構えていると取られちゃうよ(笑)。逆に「ゴリラ・パンチ」はあーりん曲にすべきだと思ってるんだけれど、れにちゃんが油断していると今度はあーりんに「推されたいだから」などと押し付けられるかもよ。盛り上がるいい曲ではあるので「れに曲」でもいいかもだけれど*1

 

 

セットリスト
M01:キミノアト  (村長&ももクロももクロ)
M02:桃色空 (ももクロももクロ)

M03:Re:Re: (Anly&MiyuuAsian Kung-Fu Generation)

M04:Come Together (Anly&村長/The Beatles)
M05:ACROSS THE UNIVERSE (Miyuu&村長/The Beatles)
M06:Southern Waves (MiyuuMiyuu)
M07:Venus (AnlyAnly)
M08:ROCK THE BOAT (Miyuuももクロ)
M09:泣いてもいいんだよ (Anlyももクロ)
M10:ピンキージョーンズ (夏菜ももクロ)
M11:スターダストセレナーデ (れにももクロ)
M12:青春賦 (しおりんももクロ)
M13:ヘンな期待しちゃ駄目だよ…? (あーりん佐々木彩夏 with ももメイツ)
M14:サラバ、愛しき悲しみたちよ (ももクロももクロ)
M15:走れ!  (ももクロももクロ)
M16:コノウタ (ももクロ加藤いづみももクロ)
M17:灰とダイヤモンド (ももクロ&村長/ももクロ)
M18:HAPPY Re:BIRTHDAY (ももクロももクロ)
M19:四つ葉のクローバー (村長かまやつひろし)

*1:あーりんと詩織はやるのを嫌がるような気がする