上海太郎舞踏公司「Scale」
上海太郎舞踏公司「Scale」(KAVC)を観劇。
出演:
上海太郎 室町 瞳 若草 鹿 新石器素子 藤村司朗[呆然リセット] 垣尾優[呆然リセット]犬侍慈代 若旦那家康 居丈高幸治
松田智樹 諏訪いつみ 水桜 奎 若原 別 福田真紀子 米田遊介 安川美穂 高田亜弥香
小木曽洋子[大垣バレエスクール] 金沢景子[藤田佳代舞踊研究所] 菊本千永[藤田佳代舞踊研究所] 向井華奈子[藤田佳代舞踊研究所]
#01アクションスターになりたい
#02見ない 見ます 見る 見るとき
#03敵前逃亡
#04スケールを小さく見せる方法
#05バンカラ ー青年よ大志を抱け隊 参上
#06寄らば大樹の陰
#07スケールが大きそうで小さなネタ ー便意ー
#08スモールライフ
#09スケールの大きいダンス ー進化ー
#10スケールの小さなネタ ー人間4コママンガー
#11カリスマになりたい
#12玉砕
#13アクションスター
#14贖罪
#15青年よ大志よ抱け
上海太郎によるひさびさの新作。ソロ公演や歌もの中心の軽めの公演が続いていたこともあり、大人数の出演する本格的な新作は「RHYTHM」以来。CD製作もいいけれど、それは余芸にとどめてぜひとも作品を作ってほしいといい続けていただけにこういう風に作品を作ろうという気力が戻ってきたのは嬉しいことだった。
上海太郎舞踏公司のスタイルを一言でいえばダンスパントマイムということになるのだが、今回はもともと上海の代表作である「ダーウィンの見た悪夢」に入っていた「進化」を「スケールの大きいダンス ー進化ー」として上演したほかはダンスというよりは音楽に乗せて上演する無言劇の要素が強い。これは今回の出演者に神戸アートビレッジセンターでのオーディションによる経験の浅いメンバーが多く、今の体制では「進化」のような本格的な群舞を創作するのは難しかったということがあるかもしれない。
見かけ上は独立してオムニバスの短編のように見えるそれぞれのシーンが舞台の後半になって有機的に結びついて主題に収斂していくというスタイルは上海ならではのものだが、今回、上海が自ら演じているさえない人物はいわば戯画化された自画像である。