ニブロール「ロミオORジュリエット」@世田谷パブリックシアター
ニブロール「ロミオORジュリエット」(世田谷パブリックシアター)を観劇。
振付:矢内原美邦 映像:高橋啓祐 衣装:矢内原充志 音楽:スカンク
照明デザイン:滝之入海 舞台監督;横尾友広 舞台美術:須貝一也
照明;森規幸 ヘアメイク:須田理恵 制作:中村茜、戸田史子
プロデューサー:伊藤剛
主催:ニブロール 提携:世田谷パブリリックシアター
助成:芸術文化振興基金 東京都芸術文化発信事業助成
出演:
木村美那子、黒田杏奈、たかぎまゆ、高橋幸平、竹田靖、原田悠、
福島彩子、福原治、ミウミウ、陽茂弥、矢内原美邦
カッコいい系のダンス(パフォーマンス)で私のこれまでのトップはダムタイプであるのだけれども、時系列でいうとその後をレニ・バッソが追い、ダムタイプの藤本隆行も参加している「Refined colors」からはじまる一連のコラボレーション連作などが続く。ニブロールは面白くはあってもこれまでそれほどクールにカッコいい(スタイリッシュ)だと感じたことはないのだけれども、この「ロミオORジュリエット」の冒頭から少なくとも10分間はここで挙げた前例にひょっとしたら並ぶようなスタイリッシュなパフォーマンスで、すべての面でのクオリティーの高さ、隙のない空間作りに集団としてのより一層の成長を感じた。
だからパフォーマンスには満足したのだけれど、唯一、問題をあえて挙げると最後まで見終わってもどこが表題の「ロミオORジュリエット」だったのか、というのがまったく分からなかったことだ(笑)。もちろん、例えばケネス・マクミランやアンジェラン・プレルジョカージュの「ロミオとジュリエット」がそうであるように物語がちゃんとあってというものではないだろうというのはこれまでの矢内原美邦の作風とタイトルが「ロミオとジュリエット」ではなくて、「ロミオかジュリエットか(ロミオORジュリエット)」というので想像はついていたのだけれども、最初はシェイクスピアの原典がまずあって、それをなんらかの意味で解体していくようなものなのじゃないかということで、そういうことを思わせるような場面はないかと目を凝らしていたもだけれど、途中でこれはどうやら関係ないんじゃないかという風に思われてきて、そういう興味で作品を追うのはやめてしまった。