ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

松本隆2時間縛りは秋元康への布石か? 「フNs桃黒歌合戦」 @フジテレビNEXT

坂崎幸之助ももいろフォーク村NEXT第79夜「フNs桃黒歌合戦」 @フジテレビNEXT

  年末ということもあり、3時間の特別編成。前半の1時間が水木一郎高橋洋子らアニソン界のレジェンドを招いてのフォーク村版「アニメ紅白歌合戦」、後半が今度は歌謡曲界のレジェンド、作詞家の松本隆氏を招いて、松本氏の作詞曲縛りの2時間であった。

 こういうことを書くと爺の繰言とまた嫌われそうだが、ももクロが最近新曲「天国の名前」の詞をもらった阿久悠氏が1937年生まれ、松本隆氏が1949年生まれと10歳ちょっとの年齢差がある。ももクロキャンディーズ、ピンクレディに曲を提供した阿久悠氏と生前に会うには間に合わなかったけれど、松田聖子らに曲を提供した松本隆には自分たちのパフォーマンスを見てもらうことができた。ちなみに芸能史におけるレジェンド的な存在にやはりなるだろう秋元康氏は1958年生まれだから松本氏とはやはり10歳の年齢差がある。専業の作詞家として阿久悠氏→松本隆氏→秋元康氏という流れが戦後の歌謡界を支えてきたのは間違いない。そして、松本氏登場の少し前にただ稲垣潤一の代表曲だというだけの紹介で挟み込んだ「ドラマティック・レイン」「1ダースの言い訳」はともに秋元康氏の作詞曲。「ドラマティック・レイン」に関していえば曲が松本隆氏の盟友的な存在でもある筒美京平氏。これは明らかにこの番組のプロデューサーであるきくち伸氏の確信犯での選曲だと思う。

 実現まではまだまだ大きな壁をいくつも越えなければならないとは思うのだけれど、きくちPは最終的には秋元氏をフォーク村に呼びたいのではないだろうか。暗号解読めいたメッセージ読み取りではあるが、先日実現した「AKB紅白歌合戦」の演出も含めて、「いつか」との思いがあるのではないかと思ったのだ。

  そういえば「ドラマティック・レイン」のことを調べているとネット上に興味深い記述を見つけた。

高校在学中に放送作家の仕事を始めた秋元康は、やがてその仕事に物足りなさを感じ、1981年10月、23歳の時にAlfee(現・THE ALFEE)のシングルB面曲「言葉にしたくない天気」で、作詞家としての活動を開始する[2]。しかし暫くは作詞の仕事も少なく、ヒット曲も無い状態だった。

筒美の曲が出来上がった後、レコード会社は、秋元を含めた3人の作詞家が曲に詞を書くコンペを行う。協議の結果、秋元の詞が最も評価が高く採用となり、シングルA面曲での発売が決定する

 すなわち、秋元康氏の作詞家としてのスタートはAlfee(現・THE ALFEE)への詞提供だったんですね。シングルB面曲なのであまり歌われてないような気がするけれど、ゲストでもし出演した時にこの事実関係を掘り起こしももクロが歌ったらかなりのインパクトがあるかもしれない。

 もうひとつきょうのセットリストが興味深かったのはKinKi Kidsの「シンデレラ・クリスマス」を夏菜子と詩織が歌ったことだ。これはいいパフォーマンスだった。Youtubeなどで調べたが時間がなくて振り付けの完全コピーはできなかったと終了後嘆いていたが、こういう男性デュオの曲をこの2人がやると格好良さが際立つし、松本隆氏への絶好のアピールになったのではないかと思う。この日のベストアクトとしてはおそらく、杏果による乾坤一擲の「SWEET MEMORIES」を挙げる人が多いだろうし、推しである私もそれは一概に否定はしないけれど、だいぶ以前に「堂本兄弟」で「ガラスの少年」を歌った時にも感じたがももクロの魅力はこういう男性アイドル曲を歌った時にうまく発揮されると感じる。

 もうひとつ記して置きたいのは11月のフォーク村でももクロSMAPの歌を歌わせたことで、今回はジャニーズ事務所の現役所属アイドルの歌を入れることでバランスを取ったかなということ。きくちPの場合、当然CS所属の今、仕事を一緒にやることは難しいけれどKinKi Kidsとは番組を通じてSMAP以上に深い関係があることも確かで、もちろん「全方位外交」というのが基本にあると思うから、これは計算もあると思うが自然な流れだと思う。

 

 

 

 M01:マジンガーZ  (水木一郎水木一郎)
M02:ぼくらのマジンガーZ (水木一郎ももクロ水木一郎)

M04:未来の僕らは知ってるよ (AqoursAqours)
M05:HAPPY PARTY TRAIN (AqoursAqours)
M06:ユメ語るよりユメ歌おう (AqoursももクロAqours)
M07:MOON PRIDE (Aqoursももクロももクロ)
M08:残酷な天使のテーゼ (高橋洋子ももクロ高橋洋子)
M09:『Z』の誓い (ももクロももクロ)
M10:ドラマティック・レイン (稲垣潤一稲垣潤一)
M11:1ダースの言い訳 (稲垣潤一ももクロ稲垣潤一)
M12:バチェラーガール (稲垣潤一稲垣潤一)
M13:恋するカレン (稲垣潤一/大瀧 詠一)
M14:風の谷のナウシカ (あんにゅ/安田成美)
M15:シンデレラ・クリスマス (夏菜子&しおりん/KinKi Kids)
M16:雨だれ (太田裕美&れに/太田裕美)
M17:赤いハイヒール (太田裕美夏菜子/太田裕美)
M18:FUN×4 (村長&太田裕美ももクロ/大瀧 詠一)
M19:ピンクのモーツァルト (あーりん/松田聖子)
M20:瑠璃色の地球 (高橋洋子松田聖子)
M21:Pearl-White Eve (れに&あーりん/松田聖子)
M22:SWEET MEMORIES (杏果&竹上/松田聖子)
M23:情熱 (クミコ/斉藤由貴)
M24:フローズン・ダイキリ (クミコ/クミコ)
M25:あゝ青春 (水木一郎吉田拓郎)
M26:12月の雨の日 (坂崎村長/はっぴいえんど)
Go!Go!ギターガールズ
M27:イエロー・サブマリン音頭 (ギターガールズ&たこ虹/金沢明子)
M28:蛍の光 (オールキャスト/唱歌)
M29:春よ来い (坂崎村長/はっぴいえんど)
M30:天国の名前 (ももクロももクロ)

ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス 2017」おかわりちゃん

** ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス 2017」おかわりちゃん

 

≪日時≫

2017年12月24日(日) 16:00開演 (18:30終演予定)
※「ももいろクリスマス2017」の本公演、および生中継ではございません。
12月13日・20日に行われたライブ映像を、12月24日(日)にももクロメンバーが”おかわり”する模様を、全国の映画館で生中継する上映イベントで

ももいろクリスマス 2017 ~完全無欠のElectric Wonderland~ 埼玉公演@さいたまスーパーアリーナ

 ももいろクリスマス 2017 ~完全無欠のElectric Wonderland~ 埼玉公演@さいたまスーパーアリーナ

 

 「ももいろクリスマス」はももいろクローバーZが毎年クリスマスの時期に開催しているライブ。今回は8回目でこれまでもその1年を総括するような意味合いを持つライブとして開催されてきた、ただ、一昨年はスキー場でのライブ、昨年はクリスマス曲を集めたアルバム発売に合わせた公演と企画色も強く、場所柄凝った演出が難しかった。

 本当はさいたまスーパーアリーナでやりたいところだが、クリスマス時期のSSAはやりたい団体が多く、しかもももクロの動員力とキャパから言って本当は複数日取りたいところだった。この条件では会場確保が難しいため、これまでは代替になる会場の開拓に向けてだれも使ったことのない厳冬期の西武ドーム(そもそもドームといっても開放型である)やスキー場と試行錯誤を繰り返してきたが、今回は発想を変えて、時期を前倒しにしての短日開催、しかも大阪城ホールを大阪会場として確保することで何とか公演回数を2回にして、SSAに帰ってくることができたのだ。

  セットリスト全体を振り返ってみると新旧の曲が具合よく取り混ぜられていてとてもバランスのとれたものだったという印象だったのだが、終了後確認してみて驚いたのは昨年発売されたクリスマス曲アルバムに収録されていた曲は昨年同様歌っているし、さらに今回のための新曲2曲、山寺宏一夏菜子のデュエット曲、直近のシングル曲3曲と昨年以上に縛りが多いセットリスト。実は昨年はクリスマスアルバム曲を全曲歌ったためにセットリストの自由度が低く、窮屈な印象もあったのだが、今年のももクリはそういうマンネリ感はいっさいなかった。

   今回の特徴はバンド編成をいつものダウンタウンももクロバンド(DMB)ではなくて、元カシオペアのドラマー、神保彰によるドラムとシンセドラムによりすべての楽器の音色をひとりで演奏するという「ワンマンオーケストラ」と宗本康兵率いるアコースティックカルテットが参加。一緒に演奏するというのではなくて、それぞれが合う楽曲を担当するという形をとった。DMBがいつもの形で参加しなかったのは武部聡志が音楽監督をつとめるFNS歌謡祭にほとんどのメンバーが参加していたためだが、結果的には今回の「ワンマンオーケストラ」、アコースティックカルテットとの共演は近年のももクロの音楽的な対応力の高さを見せ付けることになった。

 中でもももクロのことは置いておくことにしてもその圧倒的な演奏力に唖然とさせられたのは神保彰。なかでも凄かったのが「Neo STARGETE」。この演目といえば百人以上の合唱隊を背後に圧巻のパフォーマンスと展開した国立競技場のが非常に印象的で、そのせいもあってかあまりやられなくなっている感があったが、前奏となっている「カルミナブラーナ」をひとりで演奏したのには驚嘆させられたうえにそれを受けて登場したももクロ5人のパフォーマンスも引けをとらないもので、この日のパフォーマンス全体でも白眉といえるものだった。

   この曲だけではなく、インステュメンタルで演奏した「さらば愛しき~」から「Neo STARGATE」「Chai Maxx ZERO」「BLAST!」と続くブロックはドラムの分厚い音圧にももクロメンバーそれぞれの歌唱が拮抗していくようで「いまのももクロはここまで来ています」をモノノフの前でまざまざと見せ付けるようなパワフルさを見ることができた。

 この日のもうひとつの見せ場はアコースティック編成の宗本カルテットの演奏によるUnplugedのブロック。MVTUnplugedのライブやももいろフォーク村、杏果、れにのソロコンを加えてもいいと思うが、シンプルなアコースティック楽器だけの演奏で歌声そのものをきっちりと聞かせるような機会が増えてきている。以前からそういうパフォーマンスは時折はあったが、転機になったのは武部聡志のピアノだけの演奏で披露した太宰府天満宮(男祭り)での「灰とダイアモンド」のパフォーマンスだと思われるが、この日披露した「白い風」「灰とダイアモンド」「空のカーテン」といった楽曲はボーカルグループとしてのひとつの到達点を示したものであり、ももクロのことを相変わらず「下手」とディスっている人たちに見せつけてやりたいほどのものだった*1。 


神保彰 ワンマンオーケストラ Theme from Mission:Impossible~He's a Pirate

  ももいろクリスマスのもうひとつの目玉はももクリ限定シングルによる新曲の発売・披露だが、今回は2曲が昔風の言い方をすれば両A面。

 ライブで最初に披露された新曲「天国の名前」は、戦後を代表する作詞家であった阿久悠の未発表(楽曲としてはということ)の詞にももクロ曲作曲ではヒャダインと双璧といえるNAKARAKIが曲をつけた。もちろん、直接の関係はないわけだが、亡くなった人間に呼びかける歌詞は現時点で聞けば突然逝去してしてしまったエビ中のりななんのことを想起せずにはおられぬだろう。曲自体は今後長い間その時々の思いを胸に歌いついでいくべき楽曲であろうし、ピンクレディーキャンディーズといったアイドルにも楽曲を提供していた阿久悠氏の詞を著作権保護者の了解を得てもらいうけることができたということはももクロのこれまでの活動実績が認められたことだと素直に喜びたい。

 詞の話を聞いたときに次に思ったのは「誰が作曲者なんだろう」ということだったのだが、それがNARASAKIだったというのも納得の選択。自分が選ばれたことの意味をおそらく考えながら、たいていの人がバラード曲だろうと思う詞にあえてロック調のギターサウンドをつけたNARASAKIの矜持にも拍手をしたい。
   一方、清竜人作詞作曲による新曲「ヘンな期待しちゃ駄目だよ…?♡」は佐々木彩夏&ももメイツのクレジット通りのあーりん曲だが、あーりんのキャラクターを活用した楽曲としては初見の印象では、どうしてもヒャダインによる強烈な楽曲群と比べてしまうこともあり、やや線が細い感じが否定できないものであった。 今回はトロッコを移動しながらの楽曲となったことがそういう印象を強めたかもしれないので、歌いこなせばそういう印象は薄まることはあるだろうが、「メリークリスマス メリークルスマス」と曲中で何度も唱和されることもあって、クリスマスライブ以外では歌いにくいだろうというのも少し気になった。
 この日は声優、山寺宏一が登場しアニメ映画「かいけつゾロリ ZZのなぞ」の主題歌でもある「夢は心の翼」もライブとしては初披露されたが、この歌の夏菜子は声が本当に伸びやかで、魅力的だった。この歌も地上波テレビを含め今後いろんなところで披露してもらいたいところだが、相手も多忙な声優であり、スケジュール的に厳しいのが残念である。今後、披露できそうな場としては来年になってしまうがももクロも参加するアニメフェスぐらいだろうか。

 

 

セットリスト
M1:何時だって挑戦者
M2:LOST CHILD
M3:BIRTH Ø BIRTH
M4:真冬のサンサンサマータイム
M5:僕等のセンチュリー
M6:天国の名前
M7:Wee-Tee-Wee-Tee
M8:モノクロデッサン
M9:きみゆき
M10:Neo STARGATE
M11:Chai Maxx ZERO
M12:BLAST!
M13:白い風
M14:一粒の笑顔で…
M15:境界のペンデュラム
M16:DECORATION
M17:サンタさん
M18:猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
M19:SECRET LOVE STORY
M20:ヘンな期待しちゃ駄目だよ…?♡
M21:夢は心の翼 (百田夏菜子山寺宏一)
M22:行くぜっ!怪盗少女
M23:灰とダイヤモンド
M24:白金の夜明け
アンコール
EN1:泣いちゃいそう冬
EN2:空のカーテン
EN3:今宵、ライブの下で

 

 

 

*1:もっともその手の輩はどんなパフォーマンスを見ても下手と言い続けると思われるのでむしろ黙殺すべきなのだが

第7回 AKB48紅白対抗歌合戦LV@横浜イオンシネマ

第7回 AKB48紅白対抗歌合戦LV@横浜イオンシネマ

 AKB48については熱心なファンとは言いがたい。と言うよりは知っているメンバーが両手に満たないほどで特に最近は知っていたメンバーが次々と抜けてしまいほとんど知らないといってもいい。過去にドキュメンタリー映画を何度か見たこととテレビ中継で総選挙やじゃんけん大会を見たことがあるという程度なのだ。今回LVにチケットをとって出かけたのは「ももいろフォーク村」「ガールズファクトリー」などでももクロファンにはおなじみのきくち伸プロデューサー(きくちP)が今回の総合演出を手がけ、全曲を生演奏、生歌唱で行うと耳にしたからである。以下、AKBに不案内なももクロファンの立場によるAKB紅白対抗歌合戦の感想を書いていく。そのため、誤解しているところもあったりするので、もし大きな勘違いがあれば訂正するからコメントしてほしい。

 実際のライブはどうだったのか。細かいことはおいおい加筆していくが、まず結論だけ先に書いておくととても素晴らしいコンサートだったと思う。歌がちゃんと歌えるメンバーが想像以上にいるんだなというのが分かったのも収穫だった。だが、今回のライブで一番感じさせてもらったのは歌の評価は上手い下手だけではないということだった。

   この日一番印象的だったのが宮本笑里のバイオリン演奏に合わせて、ミュージカル「レ・ミゼラブル」から「On My Own」を歌った宮脇咲良のパフォーマンスだ。正直言って歌の技術はまだまだなのだが、鬼気迫る気迫をこめた歌にはオーラを感じた。彼女のAKB48での普段のパフォーマンスがどんな感じなのかは分からないのだが、若くしてHKTを背負ってきたのもむべなるかなという存在感がある。こういうのは生歌でないとなかなか分からないんじゃないかと感じた。ネットの情報からすればミュージカル女優を将来の目標として掲げているようだから、その目標を実現するためにはクラシック的な歌唱法の習得などまだまだ技術的にこなしていかなければならない壁はあるだろうが、一番大事な女優としての魂をこの人は持っているんじゃないかと思った。将来が楽しみだ。

  失格/NMB48山本彩×榊いずみツインギター)は確かによかったし、彼女のミュージシャンとしての水準の高さをみせてくれたが、これは実はきくちP得意の演目だけにmiwaから始まり、榊いずみ百田夏菜子有安杏果のやはり高水準のパフォーマンスを見ているし、山本彩の場合、彼女に実力があることは分かっているので、好演ではあるけれど、こういうのは多分と得意だし出来るだろうというのを超えるものというわけではなかった。ただ、きょうのパフォーマンスを見たら彼女と夏菜子、杏果が本気でやりあうのをいつか見てみたいなと思った。とはいえ、こういう音楽好きなタイプのパフォーマーが本気でセッションする時の本人は楽しいだろうなという感覚は確実に観客まで伝わるものだし、ここにも今回のコラボの大きな意義があったと思う。

 モノノフをはじめアイドルファンにはきくちPのことを毛嫌いしている人がいるようで、かつて君臨していた地上派からCSに配置転換されていることで、過去の人呼ばわりしている人がいることも承知だが、秋元康がいまこの時期にAKB紅白の演出をきくちPに依頼してきたというのは大きな意味があるのかもしれない。

 今回そして今回衰えていない、その豪腕振りを見せ付けたのがアイドルコラボのブロックである。いきなり、指祭りでも呼ぶことが出来なかった、モーニング娘。17が登場したのにはびっくりして思わず目が点になった。

 

1.●ヘビーローテーションAKB48向井地美音
2.●1!2!3!4!ヨロシク!/SKE48松井珠理奈
3.○まさかシンガポールNMB48白間美瑠
4.○最高かよ/HKT48松岡はな
5.●Maxとき315号/NGT48高倉萌香
6.○思い出せてよかった/STU48瀧野由美子
7.GIVE ME FIVE!/ALL
8.One・Two・Threeモーニング娘。'17
MC
9.○泡沫サタデーナイト!/サシニング娘。(HKT48指原莉乃&モーニング娘。'17)
10.○Get you!/サシニング娘。(HKT48指原莉乃&モーニング娘。'17)
11.●アイドルばかり聴かないで/NegiGT48(NGT48Negicco
12.●みどりと森の運動公園/NegiGT48(NGT48Negicco
13.●抱きしめてアンセム/しゃちKE48(SKE48&チームしゃちほこ)
14.●オキドキ/しゃちKE48(SKE48&チームしゃちほこ)
15.○絶滅黒髪少女/たこMB48(NMB48たこやきレインボー
MC
~22までunplugged~
16 .○「僕らの音楽」オープニングテーマ/STU48瀧野由美子によるサックス演奏
17.●恋するフォーチュンクッキー指原莉乃峯岸みなみ岡田奈々高橋朱里村山彩希、岡部麟、小田えりな倉野尾成美、山内瑞葵、田野優花
18.○僕らのレガッタ加藤夕夏渋谷凪咲村瀬紗英、☆矢倉楓子NMB48
19.●不器用太陽/高柳明音古畑奈和SKE48
20.○大人列車/☆兒玉遥本村碧唯渕上舞、豊永阿紀 、坂本愛玲菜HKT48
21.●青春時計/☆佐藤杏樹、西潟茉莉奈長谷川玲奈、小熊倫実、菅原りこ、山田野絵、村雲颯香(NGT48
22.365日の紙飛行機ダチョウ倶楽部横山由依柏木由紀入山杏奈加藤玲奈松井珠理奈宮脇咲良兒玉遥北原里英

MC
23.○過ち/NMB48山本彩×稲垣潤一
24.●抱いてやっちゃ桜木町NGT48中井りか×ロス・インディオ
MC
25.誰にも言わないで/SKE48白井琴望 ※じゃんけん大会より
26.●世界はどこまで青空なのか?/NGT48☆荻野由佳
27.○ワロタピーポー/NMB48白間美瑠
28.●意外にマンゴー/SKE48☆小畑優奈
29.○キスは待つしかないのでしょうか?/HKT48松岡はな
30.●11月のアンクレット/AKB48☆小栗有以
31.●サヨナラで終わるわけじゃない/向井地美音、小栗有以
32.●チームB推し/AKB48チームB
MC
33.○TRUE COLORS(シンディ・ローパー)/☆松岡はな矢吹奈子田中美久HKT48
34.●なごり雪松井珠理奈、小畑優奈(SKE48)×イルカ
35.○チェインギャング(THE BLUE HEARTS)/NMB48白間美瑠×押尾コータロー(ギター)
36.●飛梅(さだまさし)/柏木由紀×VOJA-tension
37.○On My Own(レ・ミゼラブルより)/HKT48宮脇咲良×宮本笑里(ヴァイオリン)
38.●Chandelier(Sia)/横山由依×3B junior栗本柚希
39.○失格/NMB48山本彩×榊いずみツインギター
MC
40.天使はどこにいる?/fairy w!nk(HKT48荒巻美咲&運上弘菜) ※じゃんけん大会優勝ユニット
41.あばたもえくぼもふくのうち/ふぅさえ(NMB48矢倉楓子村瀬紗英) ※じゃんけん大会ユニット
42.僕たちの地球/Kissの天ぷら(NGT48北原里英AKB48宮崎美穂AKB48大家志津香) ※じゃんけん大会ユニット
審査結果発表
43.Happy Xmas/ALL

 

シベリア少女鉄道 vol.29 <シベリア劇まつり> 『残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!』@池袋サンシャイン劇場

シベリア少女鉄道 vol.29 <シベリア劇まつり> 『残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!』@池袋サンシャイン劇場=安本彩花私立恵比寿中学) 中島早貴出演

 

作・演出 土屋亮一

出演 安本彩花私立恵比寿中学) 中島早貴
篠塚茜 吉田友則 藤原幹雄 風間さなえ
加藤雅人(ラブリーヨーヨー)  浅見紘至(デス電所)小関えりか 濱野ゆき子 ほか

   観劇をした後で作品の内容について触れると「ネタばれ」になってしまうので、見る前にちょっとした内容の予想を少しだけ書いておこう。とはいえ内容はあまり予想できないのではあるが、 <シベリア劇まつり> とあるのがひとつのヒントにはなるかもしれない。
 その後の表題が『残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!』とダブルタイトルになっているというのは明らかに「東映まんがまつり」などを思わせる2本立てということだろう。
 さらにいえばそのうちの1本「キャンディポップベリージャム!」*1シベリア少女鉄道というよりは土屋亮一が私立恵比寿中学と一緒にやっている「シアターシュリンプ」の公演を思わせるところがある。今回は安本彩花私立恵比寿中学)を客演に迎えていることもありその辺を意識しての仕掛けがあるかもしれない。
  もっとも単なる2本立て興行などをシベリア少女鉄道がするとは思えないので、たぶん、この2本は何かの形で関連していて、そこにシベ少らしいネタが仕込まれているのではないか。 
(以下ネタばれ注意。ただ、シベリア少女鉄道の作風を配慮してミステリのトリック明かしのようなネタばれは避けます)










 「残雪の轍(わだち) 」は忍者の里の物語。運命に引き裂かれた二人の娘(姉妹?)として安本彩花私立恵比寿中学)、中島早貴(ex℃-ute)が可憐な演技を見せる。一方、「キャンディポップベリージャム!」は大学(?)の女子寮のロビーを舞台に引き起こされるドタバタ劇。「シアターシュリンプ」の公演を思わせるところがあるだろうという当初の予測はそんなに間違っていないといえるが、それでもその後の展開が予測の遥かに上をいくのが、シベリア少女鉄道の真骨頂であろう。
 今回の舞台を見てあらためて思ったのは土屋亮一はやさしいのだなということを再発見させられたこと。
飛び道具的なことを躊躇なくやらせるという意味では客演の2人(現役アイドルと元アイドル)にも他の俳優と区別なく、やらせるということはあるが、逆に舞台も視野に入れている若い才能を意識して、演技経験があまりないであろう安本彩花中島早貴が出てくる冒頭部分など相当以上に丁寧に演出、演技指導をしてあげているのではないだろうか。
 シベリア少女鉄道を楽しむファンとしては別の見方もあろうが、彼女たちの視線に立てばこの舞台での演出の要求にこたえることができたら、普通の舞台の4~5本に出演したぐらいの演技経験が得られるのではないかと思う。
もちろん、作家・演出家としては彼女たちがいい演技をしてくれれば作品的にもいい効果を生むのだという見方もできるのだが、この劇団のこれまでの上演を考えるとそういうところは手を抜くということも明らかにあった。そういう意味では今回の土屋には彼女たちを俳優としても育てたいという気持ちがあるなと感じられたのだ。
 そして、内容について少しだけ触れることにするとこの舞台はシベリア少女鉄道版のクリスマスストーリーなんだろうなと思った。そして、それはこの池袋サンシャイン劇場という公演会場にもすごく合っている。というのはこの劇場は演劇集団キャラメルボックスが長年ホームグランドとして使い続けてきた劇場でもあり、キャラメルといえば毎年クリスマスの時期にハートウォーミングなクリスマスの物語を上演してきた。
 クリスマスストーリーというのはディケンズの「クリスマスキャロル」に代表されるようにクリスマスの夜にとても奇跡的な瞬間が訪れるというモチーフの物語のことだ。
 舞台を見て「そんなわけないだろう」と言いたくなる人の気持ちも分からないわけではないが、今回のシベリア少女鉄道の作品のキーモチーフのひとつがクリスマスツリーであったことは確かだ。そして、そのツリーを巡って、特別な奇跡が起こるという物語であったことも間違いない。しかも、それが上演されたのが池袋サンシャイン劇場だということになれば、シベ少の新作は演劇集団キャラメルボックスへのオマージュだと指摘してもどこがおかしいだろうか*2

*1:シアターシュリンプ 第一回公演「エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート」

*2:そういえばキャラメルボックスには「また逢おうと竜馬は言った」などいくつか時代劇の人気作品もあった。あれ、「竜馬」と「残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!」ってそういえば…