ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

「AYAKARNIVAL 2020」@ニコニコ生放送(TACHIKAWA STAGE GARDEN)

 「AYAKARNIVAL 2020」@ニコニコ生放送(TACHIKAWA STAGE GARDEN)

 

 「AYAKARNIVAL 2019」は現地参戦ができたが、当時無名だったSKE48の若手ユニット「カミングフレーバー」の大健闘もあり、予期した以上に良質なアイドルイベントとなった。司会とコラボに徹するかと思われたあーりん(佐々木彩夏)も他のグループと同じ時間(50分)のソロライブをがっつりと行い若いアイドルたちにトップアイドルの到達点をはっきりと見せつけた感もあり、参加アイドルのファンにとってもももクロファンにとっても評判のイベントになったのである。
今年はどこが参加するのかと考えていたのだが、=LOVE、カミングフレーバー、EMPiREに加えて、新たに2グループ(アップアップガールズ(2)、STU)が参加。しかもコロナ禍で換気性のよさを勘案して会場にフルキャパでも2500人のTACHIKAWA STAGE GARDENを選び、感染対策から人数を絞り込んでの開催となった。となるとチケットは激戦が必至。私はチケット争奪戦に敗北、ニコニコ生放送の配信での参戦となった。

 

出演:
佐々木彩夏 / アップアップガールズ(2) / =LOVE / STU48 / EMPiRE / カミングフレーバー (五十音順)
STU48出演メンバー:岩田陽菜、大谷満理奈、門脇実優菜、中村舞、福田朱里、薮下楓
カミングフレーバー :青海ひな乃、赤堀君江、大谷悠妃、鈴木愛菜、田辺美月、中野愛理、西満里奈、野村実代、平田詩奈

 



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ABEMA PPV ONLINE LIVE ももいろクローバーZ「PLAY!」

ABEMA PPV ONLINE LIVE ももいろクローバーZ「PLAY!」

ももいろクローバーZの生配信ライブ。ももクロはこれまでも配信ライブの新たな可能性について挑戦的な試みを続けてきた*1が、これまでの試みを踏まえての決定版ともいえるライブ配信だったのではないかと思う。VR技術を駆使した新曲の「PLAY!」の初披露から始まった。今回の配信ライブが凄かったのはPerfumeの配信ライブなどのVRなど最新のデジタル技術を活用した場面をまず最初に提示しながら、デジタル技術だけに頼らないでシーンごとに様々な映像に関するアイデアを盛り込んでいっていることだ。
特に面白かったのはデジタル技術を駆使した米国流SFXではなくて日本伝統の特撮を連想させる街のミニチュアを使った「ゴリラパンチ」。明らかにハリウッド版「ゴジラVSコング」のことを意識したものであろうが、日本流の特撮はハリウッド的なデジタル技術を駆使したSFXへのアンチテーゼ的な意味合いもあるかもしれない。もちろん、これはパロディーなのでスカイツリーを持ち上げて掲げるあーりんゴリラの姿には思わず笑ってしまうのであるが。
「チャイマゼロ!」も印象的だった。パフォーマンスフロアが動いていく演出にジャミロクアイ*2の名前がコメント欄に上がっていたが、川上アキラ氏も応じていたから明らかにこれはそれを元ネタに意識していただけではなく、全体としてこれまでのMVや映像の歴史をなぞっていこうという意図さえ見えてくる。
ライブ全体が映像手法の実験室というか、映像クリエイターらの遊び場のようになっている*3パフォーマーとしてそれにリアルタイムで対応していくことは演者の側にも様々な手腕が要求され、簡単なことではないが、事前収録ではなく、ほぼリアルタイム、編集なしでそれに対応していくということはももクロのパフォーマンス力があればこそ可能だったことであろう。
この配信は表現の方向性の多様性が特徴だが、それを可能にしているのはこれまでMV撮影などでももクロにかかわってきた4組の映像クリエイターのチームが参加して、場面ごとに競うあうようにアイデアを出していることだ。ライゾマティクスリサーチ(真鍋大渡)が制作したPerfumeの配信ライブは確かに素晴らしくはあったけれど、優れた映像クリエイターにはそれぞれ個性があるために単一の手法を使ったものを何本か続けてみると最初は新鮮でも次第に既視感が出てきてしまうということはどうしてもある。
複数のクリエイター起用にはそれを避ける狙いがあるが、一方でそれぞれ方向性の違うクリエイターがかかわることで全体の印象が散漫になってしまいかねないリスクもあるわけだ。おそらく、そうならないように総合演出的な役割を担ってい人物が誰かいるとは思ってはいるのだが、そうはならない最大の要因はももクロの強い個性と高いパフォーマンス力ではないかと思う。
これはももクロと楽曲を提供する音楽家の関係性に近いかもしれない。初期のももクロの主要楽曲提供者はヒャダインだったが、ヒャダインももクロの音楽プロデューサーではない。ももクロにはPerfume中田ヤスタカに当たるような楽曲提供者はいない。それゆえ、楽曲自体の方向性は曲ごとに千変万化ともいえるのだがそれでもそれがももクロの楽曲という風に聴こえるのはそれを「ももクロの世界」に変容させてしまうパフォーマンス力と個性がこのグループにはあるからだ。だからこそももクロは気鋭の音楽クリエイターがそこで様々な試みを実行するプラットフォームになっているのだ。
今回の配信に参加した映像クリエイターとももクロにも似たような関係性が成立しているのではないか。ライブは終了したが、具体的に誰がどのシーンを担当したのかはまだ完全には明らかではない。このライブに関しては遅れてでもかまわないから裏側の具体的事情もぜひ知りたい。
追伸)
公式の発表はないが参加した映像ディレクターのひとりである河谷英夫がディレクター4人の写真をアップしていた。河谷は佐々木彩夏が総合演出したたこやきレインボー生配信ライブSHOW「真夏のホームパーティー・ザ・ワールド」*4の映像ディレクションを手掛けた映像アーティストである。彼が4人の中に入っていることは推定してはいたが、これで確定したようだ。

さらに追加情報)
その後判明したのは参加映像ディレクターは次の4人。
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多田卓也=境界のペンデュラム、クローバーとダイヤモンド

河谷英夫=サンタさん、Chaimaxx、Dの純情、笑一笑

スミス=あんた飛ばしすぎ‼︎

ZUMI=stay gold
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ももクロの最大の武器は多様な才能を受け入れるプラットフォームとしてのフレキシビリティー(柔軟性)の豊かさだろうと思う。楽曲に関しては以前、特定の音楽プロデューサーがいないので、誰の楽曲でも受け入れ可能で極端なことをいえば実現の可能性はともかく、ブライアン・メイポール・マッカートニーに楽曲提供を依頼することも可能と指摘したことがある。実際にはそれはなかったが、KISSとのコラボは実現したし、この日披露した楽曲では「ゲッダーン」は英国のバンドOK GOの提供曲だ。OK GOもMVにこだわりを持っていて、自らのMVには凝りに凝った演出*5を導入している。ひさびさにこの曲をやったことにはそういう意味合いもあったのかもしれない。

以下、参考のためにそれぞれの映像担当ディレクターのMVを上げておく。
多田卓也
<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/riPW20UtvBY"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=riPW20UtvBY">佐々木彩夏「Girls Meeting」Music Video</a>
<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/ohVtpeVlwZs"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=ohVtpeVlwZs">『MOMOIRO CLOVER Z』SHOW at 東京キネマ倶楽部_映像発売記念! 演出家「多田卓也」×振付師「avecoo」×出演者「DragQueen」コメンタリー生配信</a>
河谷英夫
<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/5degcfbioz4"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=5degcfbioz4">【ももクロMV】PUSH / ももいろクローバーZ(MOMOIRO CLOVER Z/PUSH)</a>
<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/Wfryk_WTuZE"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=Wfryk_WTuZE">TACOYAKI RAINBOW / “MANATSU no HOME PARTY the WORLD” Live Digest and Making</a>
スミス
<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/_WJ072_N12Y"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=_WJ072_N12Y">【ももクロMV】ももいろクローバーZ『あんた飛ばしすぎ!!』Music Video</a>

ZUMI
ZUMI氏は今回「マホロバケーション」「stay gold」「月と銀紙飛行船」「イマジネーション」を担当したようだ。
<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/avC2wqz2T4g"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=avC2wqz2T4g">【Momoclo MV】ももいろクローバーZ「stay gold」Music Video</a>
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<b>ももいろクローバーZ
ABEMA PPV ONLINE LIVE『PLAY!』セトリ</b>

PLAY!(新曲)
TDF
マホロバケーション
ゲッダーン
MC自己紹介
チャイマゼロ(staygold)投票
ゴリパン
DNA(でたらめ)投票
MC
あん飛ば
デコレ
MC
ニッポン万歳
笑一笑
MCジャッキーちゃん
月色Chainon
銀紙飛行船(イマジネ)投票
クロダイ
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2020年11月29日(日) 19:00配信開始
ももクロ史上初の“視聴者参加型”配信ライブ!
ABEMA独占生配信決定!
たとえ物理的な距離があっても、“一人で”も“自宅で”も最大限に楽しめる
イベントを目指します!
合言葉は「ももクロとPLAY!」
“ボーダーレス”な映像体験をお届け!
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*1:simokitazawa.hatenablog.com

*2:<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/4JkIs37a2JE"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=4JkIs37a2JE">Jamiroquai - Virtual Insanity (Official Video)</a>

*3:「PLAY!」という表題にはそういう意味も込められているのかもしれない。

*4:simokitazawa.hatenablog.com

*5:
<iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/LWGJA9i18Co"></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=LWGJA9i18Co">OK Go - Upside Down &amp; Inside Out</a>

ももクロが10年ぶりにTIF降臨 スタプラアイドルも勢ぞろい TOKYOIDOLFESTIVALオンライン2020(3日目)

 TOKYOIDOLFESTIVAL(3日目)


 普段はロックフェス(ロッキン、氣志團万博)には出かけてもももクロライブの外周フェス以外のアイドルフェスに行くということはほとんどないのだが、今年のTIFはオンライン開催になり五輪の関係でもともと時期が秋口にずれていたこともあり、普段は夏のスタジアムライブとスケジュールがかぶり参加できないももクロが参加。私も配信チケット(3日目)を購入、見ることにした。
 今年の3日目はももクロが10年ぶりに参加した。所属するスターダストプロモーションのアイドル部門「スターダストプラネット」のアイドルも勢ぞろいすることになった。それらをフォローしていこうとすると早朝一番手の佐々木彩夏から夜のメインステージ大トリのももクロまでスタプロの関連ステージを追いかけていくだけでタイムスケジュールがほぼ埋まってしまう。さらにはサブステージながら時間的にはももクロより後の時間帯になるアメフラっシまで出そろいスタプラフェスの状態なのだ。

佐々木彩夏ソロセットリスト

M1.Girls Meeting
M2.君が好きだと叫びたい (BAADカバー)
M3.だって あーりんなんだもーん☆
M4.ハッピー スイート バースデー! (高城、玉井ゲスト出演)

 


TIF2020 DAY3 佐々木彩夏 SMILE GARDEN

 SMILEGARDENのスタートは佐々木彩夏(あーりん)の登場である。ソロライブなのだが、最初の曲「Girls Meeting」ではダンサーとして、ダンスが得意な後輩2グループからCROWNPOP三田美吹、里奈、アメフラっシから愛来小島はなも登場、一緒に踊る。
 実はこの2グループはあーりんのソロ配信ライブ「A-CHANNEL」にも出演したのだが、残念なことにその時は大部分のシーンでマスクをしていて、個々の表情がよく見えるという風にはならなかった。今回は前回配信の際の心残りに対するリベンジの意味もあったのではないかと感じた。
 今回の衣装は一緒に登場した後輩のものも含めて、ももクロではあまり着ないようなスタイリッシュなもので、最近雑誌LARMEとモデル契約し、TGCではランウエイにも立ったあーりんの最新ファッションへのこだわりも感じられるものとなっている。こういうモード系の衣装をまとった時の後輩アイドルの容姿もさすがスターダストを思わせるものがあり、この日後から登場する後輩グループの顔見世アピールにもなったのではないか。
 「君が好きだと叫びたい」はアニメ主題歌のヒャダイン編曲によるカバー曲。この曲も含め、ここからの3曲は「ザ・あーりん」という選曲である。代名詞の「だってあーりんなんだもん」の途中ではロングからミニにスカート衣装を早替え、定番ながら驚かせる演出を踏まえたうえで、一転最後の「ハッピー スイート バースデー!」では被り物でケーキの妖精(玉井詩織)、紅茶の妖精(高城れに)に扮したももクロメンバーが登場するいかにもももクロらしい茶番も見せて、出番を終えた。

浪江女子発組合セットリスト

MC 自己紹介
M1 なみえのわ
M2 ミライイロの花
M3 あるけあるけ

 


TIF2020 DAY3 浪江女子発組合 SMILE GARDEN


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同じステージでは続けて、佐々木彩夏が総合プロデュースした地域アイドル「浪江女子発組合」が登場。浪江女子発組合(JA浪江)はあーりんプロデュースながらインパクトの強い本人のパフォーマンスとは対照的な清楚系アイドル。プレイングプロデューサーのあーりん本人に加えて、後輩グループのアメフラっシ、B.O.L,Tのメンバーが参加して、結成された。
 福島県浪江町の地域アイドルとして発足。同地の体育館をホームグラウンドに月1でライブ活動をしてきたが、コロナ禍でほとんど活動ができなくなり、一部配信ライブに登場したことはあったが、一般のアイドルファン向けにはこれがほぼ初披露の場といってもいい。
 最近のももいろクローバーZの活動での顕著な傾向のひとつはっ地域との連携。毎年春には地元自治体と共同主催により「春の一大事」なる数万人規模の動員の大規模野外ライブを企画、単にライブ開催にとどまらずライブ前には何度も現地を訪問して、その地域の紹介を行ったり、地元企業とのコラボ商品を開発したりと、地域活性化につなげたりしてきた。「春の一大事」は今年も福島県のJビレッジで開催が予定されていたが、すでに来春への延期が決まっている。「浪江女子発組合」もそうした地域活性化の一環として、浪江町からの提案もあり設立されたもので、よくあるように東京主体の企画を無理やり地方に持ち込んだものではなく「浪江町の地域アイドル」というのはそういう意味合いもある。
 これまで地元の人たちにライブを見てもらうとともにライブ入場券を地元で事前に配布することで、ファンに最低二度は現地に足を運んでもらい地元の飲食店や土産物店などでお金を落としてもらうことで、消費拡大に役立てるというような狙いがあったのだ。
 ただ、コロナ禍で当初予定していたプランは中断したままになっていたが、地元での集客ライブ復活に先駆けて、今回のTIFオンラインに参加。今月末の立川市で予定されている東京での初の集客ライブに向けてのPRともすることになった。
 コンセプトとしてはアイドルになりたかったあーりんがももクロではなれなかった「アイドルらしいアイドルグループ」というものでもあり、衣装にしても曲調にしても、いろんな意味でももクロとは対極にあるのが面白い。
 HOTSTAGEの最後を飾ったももクロは「行くぜっ!怪盗少女」「オレンジノート」「ココナツ」「走れ!」4曲からスタート。10年前のももクロ伝説のTIFを再現した。ももクロの代表曲である「怪盗~」だが、最近はセットリストにあえて入れていないことも多い。最初にこの歌から始めたのはTIFへの敬意を表したのかと感じたが、続く楽曲で「ひょっとしたら、これはあの時の再現」と分かった瞬間、「よくぞやった」と興奮させられた。
 後半の楽曲は一転して「THE DIAMOND FOUR」とももクロらしいラップ曲で最新の姿を提示。さらにバラード曲の「灰とダイヤモンド」、10周年の記念アルバム収録の新曲であった「クローバーとダイヤモンド」とダイヤモンドが表題に入った3曲を歌い、この10年のアイドルとももクロの歴史をTIF降臨の場で振り返るような内容とした。世間や他のグループのファンなどにはいまだにももクロ=怪盗少女のイメージが強いなかでの新旧両方の楽曲を入れて、しかもその両方を代表する「怪盗」「灰ダイ」がいずれもヒャダイン楽曲であるということには大きな意味があったのではないかと感じた。 

下記のタイムスケジュールを参照していただければ分かるようにこの日はももクロ以外に所属の「スターダストプラネット」からばってん少女隊、ukka、Awww! 、B.O.L.T 、CROWN POP、超ときめき♡宣伝部、アメフラっシ、たこやきレインボーと傘下のグループが参加した。

たこ虹セットリスト
M1. プレイバックス
M2.恋のダンジョンUME
M3.Boules de poulpes S'il vous plait
M4.もっともっともっと話そうよ-Digital Native Generation-
M5.輝け!おっサンシャイン!
M6.ナナイロダン


たこ虹はまだ若いながらもTIFには前日参加の私立恵比寿中学、今年はあえて不参加のTEAM SHACHIと並ぶスタダ四天王の一角である。ダンスと歌のスキルの高さと容姿のよさなどアイドルとしてのポテンシャルの高さを見せつけたのではないか。
 たこ虹がライブをしたSMILEGARDENでは直前に最近avexとメジャー契約したばかりで注目のアイドル風雲児zocが魂を込めたような圧巻のパフォーマンスをしたばかりだった。コメント欄には「この後にやるたこ虹がかわいそう」などのコメントが複数出てきたが、たこ虹としても年齢こそかなり下だが、avex所属アイドルとしては先輩。実績も格も上で、ひき下がるわけにいかない場面でもあった。  
 そんな中で「正統派のアイドルとはこういうものだ」と見せつけるようなライブを展開した。


たこやきレインボー TIF 2020


 この日、勢いを見せつけにきた超ときめき宣伝部、ukka、アメフラっシら競い合う後輩グループに対しても、一部の隙もないダンスの統一感、それぞれの表情の作り方など配信ならではのスキルも存分に見せつけた。
 いかにも「ザッツ・アイドル」という「プレイバックス」「恋のダンジョンUME」「Boules de poulpes S'il vous plait」「もっともっともっと話そうよ-Digital Native Generation-」といったかわいいアイドル曲からスタート。後半は一見面白ソングと見せかけて実は泣かせる「輝け!おっサンシャイン!」、松隈ケンタによるダンス曲「ナナイロダンス」と楽曲の多様性も見せつけ、始まる前にあったネガティブな声を封殺することになった。
 たこ虹に関してはこれまではほとんど関西中心での活動だった。そのため、東京での知名度は一部、妹グループと比較しても低いが、他グループのファンに対しても晩御飯を作って愉快に食べているだけのグループではないことを見せつけたのではないか。
この日気になっていたのは中心メンバーだった山本花織が抜け5人体制となったCROWNPOPだった。だが、ライブが始まると5人でのパフォーマンスの完成度の高さに驚かされた。
 三田美吹の頑張りもいつも以上でその気迫にも心打たれるものがあった。改めて思ったのはダンスが売り物で絶対的なセンターがいるグループの場合、5人はフォーメーションを組んだ時にセンターポジションが目立つので、とても栄えて見えるということだ。見え方もきれいですっきりしていて5にんはダンススキルの高いクラポが魅力を発揮するには適しているかもしれない。この日のパフォーマンスを見ながらそんな風に思った。
 雪月心愛(みぃあ)が山本花織から煽り役を受け継ぐことで役割分担もビビッドになり、歌唱力が急速に向上しつつある田中咲帆、藤田愛理とかなり強力な布陣となってきたのではないか。
 アメフラっシもパフォーマンス自体は良かった。自体はなどと書いたのはその完成度の高さで同世代のグループを圧倒するはずだったのにTIF側の落ち度でカメラ割がひどく、激しい動きを伴いながら、精密な彼女らのパフォーマンスの一番優れた部分を伝えきれなかったからだ。
 アメフラっシは次々とつながれていく、高いスキルが要求されるソロ歌唱が非常に安定しているのが大きな武器。さらにそれに激しくフォーメーションチェンジを繰り返すダンスか組み合わさリ、圧倒的なパフォーマンスが展開される。しかし、誰がどこで歌うのかが複雑で、センターポジションに固定されているわけではないので、この日はカメラ、スイッチャーともに振り回されてしまっていて、カメラ酔いしそうになるほどフラフラしてしまっていた。
ただ、今後のためにということを考えると演じる側もどのカメラがどこにあって何を狙っているのかをもう少し考えるべきかもしれない。
 担当するカメラマンの技量も違うから簡単に比較は出来ないが、ももクロは配信ライブということもあり、完全に全てのカメラ位置を把握した上でカメラ目線を送っていた。アメフラっシには自分たちのパフォーマンスをしっかりやるということで必死でそういう意識が希薄だったかもしれない。パフォーマンス自体は悪くなかっただけに残念だ。
 思い出してみれば浪江女子発組合の挨拶の際にカメラがメンバーの挨拶を追いきれてないのに気がついたあーりんがそれぞれの挨拶のテンポを咄嗟に修整しやりなおさせていた。経験値の差といえばそれまでだが、そういう意識の差が大事という教えだったと思う。
ももクロにはそれができてなぜ他のグループはできないのだろう*1を考えていた時に実はいままで疑問に思っていたいくつかの別々のことが頭の中で「カチっ」とひとつにつながった。
 ひとつは今回の配信フェスでのカメラ目線のこと、もうひとつは野外フェスで見せつけるももクロの観客への異常に長い射程距離、そして夏菜子が以前GF(ガールズ・ファクトリー)で見せたバンドの演奏者と目線を合わせてのパフォーマンス……。一見別々のものと思われていたこれらのことは実は全てつながっているのではないか。これは彼女らが一緒に演奏するミュージシャンやスタジアムや運動公園に溢れる観客、そして、今回は配信を行うカメラマンやスイッチャーなどのスタッフからさらにはカメラの向こう側にいる無数の観客。そして、野外では時に吹き抜ける風や照り付ける太陽などこうした神羅万象に近いようなことまで、意識の片隅に置いてパフォーマンスしているからではないかと思う。

タイムスケジュール(スタダ中心に、メモがわり)
09:40-10:00 <b>佐々木彩夏(アメフラっシ、CROWN POPからも選抜メンバーがダンサーで参加) </b> SMILEGARDEN
10:10-10:30 <b>浪江女子発組合 </b> SMILEGARDEN
10:50-11:05 ばってん少女隊 LoftStage
11:10-11:30 ukka SMILEGARDEN
11:30-11:50 Awww! CGlabo
12:05-12:25 ばってん少女隊 CGlabo
12:55-13:15 B.O.L.T CGlabo
13:30-13:50 <b>CROWN POP</b> CGlabo
14:10-14:25 Awww! LoftStage
14:45-15:00 B.O.L.T SkyStage
15:00-15:30 超ときめき♡宣伝部 SMILEGARDEN
15:45~16:00 <b>ミューコミ娘。(根岸可蓮三田美吹参加)</b>LoftStage
17:15-17:35 超ときめき♡宣伝部 CGlabo
17:55-18:25 <b>たこやきレインボー </b> SMILEGARDEN
18:30-18:45 <b>CROWN POP</b> LoftStage
18:45-19:20 <b>ももいろクローバーZ</b> HOT STAGE
1945-20:05 <b>アメフラっシ</b> LoftStage

http://www.idolfes.com/2020/json/timetable/1004.pdf
tif.spwn.jp

 

 

*1:というよりも、まず最初にその必要性を感じていないのだろうと思う。

高城れに『CongratuRenichan〜The 02 season 2020〜』

高城れに『CongratuRenichan〜The 02 season 2020〜』



Dancingれにちゃん
Ride on time/MAX
キューティーハニー/倖田來未
MC:自己紹介
ダンシング・ヒーロー/荻野目洋子
VALENTI/BoA
タマシイレボリューション/Superfly
DJ&バンド紹介
everydayれにちゃん

 

f:id:simokitazawa:20200626121002j:plain
 来年に延期になった高城れにソロコンの代わりとして配信する無観客ライブ。高城れにのソロコンはここではアイドル楽曲を歌う、バンド系の音楽を主体にカバー曲を、オリジナル曲、3月9日など毎年歌う恒例の楽曲などに4つか5つのブロックに分かれているのだが、この日はBoA、Superfly、荻野目洋子、倖田來未ら歌唱力が要求される新旧歌姫系のボーカリストの楽曲などをバンド演奏に乗せて披露した。
 登場した瞬間に高城れにとそれの左右に付き従うような4人のダンサーが全員マスクというか、口鼻を覆い隠すレースのようなものを衣装としてつけているので、驚かされたが、マスクはれにちゃんバンドのメンバーも全員がつけていた。中東的なイメージのあるバーレスク風の衣装とも相まって(と書いたけど写真見直したら忍者(くノ一)かもしれない。)、マスク自体はすごく似合っていたし、5THE DIMENTIONでは全頭マスクを経験しているモノノフ(ももクロファン)にはこの程度は全然普通のことだし、もっと奇抜な衣装で出てくる可能性もあると考えてもいたので、安心したのではないか。
 理屈だけで考えれば激しく踊り、歌う高城れにとこれも息遣いが激しく、時には接近するような場合もあるダンサーがつけているのはコロナ対策上の理由があるとしても、互いにある程度離れた場所で演奏するバンドメンバーがそこまでする必要はあるのかという疑問もある。それゆえ、これは現実的な対策というよりはコロナ後のライブを強調するプレゼンテーションのような意味合いが大きかったのではないかと思う。


Dancingれにちゃん


 冒頭の「Dancingれにちゃん」は今年のソロコン向けに用意した新曲で名刺代わりの1曲という感じだろうか。その後に続く5曲がこの日の見せ場であろう。歌唱力に自信がある人以外は歌わないだろうと思われるようなラインアップである。



Ride on time/MAX
キューティーハニー/倖田來未
ダンシング・ヒーロー/荻野目洋子
VALENTI/BoA
タマシイレボリューション/Superfly

 

 あらためて、原曲を動画で再確認してみるとBoAやSuperflyはとんでもなく凄いはということが一目見れば直ぐわかるが、高城れにのパフォーマンスも相当健闘している。もしYoutubeなどに上がれば相変わらず「下手は歌うな」というレスはつくかもしれないが、歌い方が高城れにのものになっているので、例えオリジナルと違ってもこれはもはや下手なのではなくて、こういう歌い方なのである。そういうレベルに上がってきていると思う。そもそも、ソロコンの選曲はフォーク村のようにプロデューサーが決めたものではなくて、本人が決めている(当然曲目から考えて、母親などに相談しているとは思う)ものだから、それでこういうハードルの高そうな曲が上がってくること自体、歌を歌うということに関する意欲が格段に上がっていることが分かるだろう。
 観劇直後の感想もアイドルとして可愛いというようなものではなく、例えば最初はアイドル的な魅力に溢れていた松田聖子安室奈美恵がそうした魅力を維持したままでアーティストとしての表現が素晴らしいというような評価を受けるように変わっていったように成熟した大人のアーティストの魅力も表現できるようになった。
 とはいえ、「everydayれにちゃん」のようなオリジナル曲では相変わらずアイドルとしての魅力も存分に発揮しており、こういうことなる要素の混在が高城れにの魅力といえるかもしれない。


Ride on time


2002 08 31 BoA VALENTI


Superfly - タマシイレボリューション (LIVE)



 


gyao.yahoo.co.jp

■視聴期間
▼生配信
2020年6月25日(木)18:30〜

▼見逃し配信
2020年7月1日(水)0:00〜2020年7月31日(金)23:59

■出演者
高城れに
ももいろクローバーZ

 


simokitazawa.hatenablog.com
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理事長から大量の海鮮が届く たこ虹の家にいるTV#45 連続配信最終回


たこやきレインボー / 「一緒に帰ろう」Music Video(HANDSIGN ver.)

理事長から大量の海鮮が届く たこ虹の家にいるTV#45   連続配信最終回

 

 自粛期間の癒しの源だったたこやきレインボー(たこ虹)による連続配信「たこ虹の家にいるTV」が最終回を迎えた。今回は事務所の社長でもある理事長(藤下リョウジ社長)から大量の海鮮がたこ虹ハウスに届き、メンバーの狂喜乱舞のなか、連続配信のフィナーレを迎えた。
たこ虹は人気俳優が多数所属する大手芸能事務所スターダストプロモーション所属のアイドルグループ。アイドル部門であるスタプラスターダストプラネット)ではももクロエビ中の後輩グループにあたる。
大阪でメンバー5人で共同生活を送るたこ虹ハウスから毎日晩御飯時の午後7時28分(なにわにちなんでいる)から生配信で自分たちが晩御飯を作って皆で食べる姿を生配信してきた。
たこ虹は最年少の彩木咲良が高校を卒業。ようやく学業の縛りなく、全員が自由に活動できるタイミングとなった今年、新曲を擁した全国ツアー「たこ虹ハウス」など一気に打って出ようとの構えだった矢先の今回のコロナ禍。スケジュールすべてが白紙に帰するなど出足をくじかれることになったが、こんな状況で急遽始まったのが「たこ虹の家にいるTV」であった。
先輩のももクロも「逆境こそがチャンス」と歌っているが、文字通り全員で一緒に暮らしているという利点を活用して、普段は別に暮らしていたマネージャーの番長もたこ虹ハウスに長期滞在して全員が一緒に暮らしながら毎晩Yuotubeで生配信を開始。この日まで配信は45回を数えた。
 最近、テラスハウス問題などでリアリティーショーのことが話題になっているが、本当のリアルを垣間見せるという意味ではこれこそ本当の意味でのリアリティーショーではないかと思う。
 特に連休期間などはももクロが連日「家にいるTV」終了直後から連日過去のライブ映像の配信をしたこともあって、ももクロファン(モノノフ)の中には両番組をはしごで見る人も出てきて、モノノフへの訴求力は大幅に上がったのではないか。
 さらに言えばこの番組は単に日常を配信するというだけではなくて、メンバーの創意により、当然始まる寸劇(代表作は何度も繰り返された「チーズケーキ」)などこれまでテレビ番組を一緒にやってきたMC陣に鍛え抜かれた集団芸の実力が随所に発揮される面白さもあって、この期間中アイドルの配信などをいくつも見る機会があったが、「たこ虹の家にいるTV」はそういうものとは一線を画しているとの印象を受けたのだ。
 メンバーのクリエイティビティーも発揮されたが印象が一変したのは彩木咲良(さくちゃん)である。
 神回といわれた全編が壮大なコントといってもいい「さくぴょんのメイドカフェ*1の奇才ぶりから最後には一転してたこ虹ハウスのオリジナルソング「一緒に帰ろう」*2を作詞作曲、ギター演奏する多才ぶりも発揮した。
<iframe width="560" height="315" src="//www.youtube.com/embed/wkV0e3nruec" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><br><a href="https://youtube.com/watch?v=wkV0e3nruec">たこ虹の家にいるTV#45</a>

 

*1:simokitazawa.hatenablog.com

*2:
たこやきレインボー / 「一緒に帰ろう」Music Video(HANDSIGN ver.)</a>