東松照明「Tokyo曼荼羅」@東京都写真美術館
東松照明「Tokyo曼荼羅」(東京都写真美術館)を観る。
写真集などは別にして今回の写真展でようやく東松照明という写真家がどんな写真家なのかということについてのアウトラインがつかめたかな、という気にさせられた。東松照明の美術館での大規模な個展としては「長崎曼荼羅」(2000年、長崎県立美術博物館)、「沖縄曼荼羅」(2002年、浦添市美術館)、「京まんだら」(2003年、京都国立近代美術館)、「愛知曼荼羅」(2006年、愛知県美術館)と続いてきた「マンダラ写真展」シリーズの最後に位置するということだが、写真に興味を持って展覧会などに通いだしたのはまだ最近なため、このうち自分の目で見られたのは残念ながら昨年の「愛知曼荼羅」*1だけだったのだが。この時には点数は多かったのだが、故郷である愛知県を離れて上京する前の本当に若い時に撮った写真が多かったからだ。
この人は日本における現代写真の切断点をなす人じゃないかと以前に思ったけれど、今回の個展を見てそれは確信となった。驚くのはその写真のカッコよさで、単なる記録としてだけではなく、アートとして成立していたり、スタイリッシュだと感じさせることだ。