ももクロ&アイドル blog (by中西理)

ももいろクローバーZとアイドルを考えるブログ

坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT 第78夜 水曜だけど「木曜ヒットスタジオSUPER」

坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT 第78夜 水曜だけど「木曜ヒットスタジオSUPER」

  先日、フジテレビの『三宅裕司春風亭昇太のサンキュー歌謡曲一座~ナウなピースでこまっちゃうナ~だめだこりゃ編~』 の後、ももクロは今はけっして下手ではないと思うけれどもいまだに「ももクロは下手」とdisってくる人がいるのはどういうことなんだろうというのをモノノフ仲間とtwitterで議論した。

 その議論はいろんな論点が出て非常に面白かったのだが、そういうこともあって今回はついそういう論点を踏まえてフォーク村でのももクロのパフォーマンスを見る形になった。その結果思ったことを書いていきたい。これについては「そんなことはないよ」というモノノフ各位の反論も当然あると思うのでそういうのがある人はぜひコメントに書いてほしい。

 先日の番組で出演した3人(あーりん、高城れに玉井詩織)が「私たちは『歌がうまいといわれ隊』の3人だ」というようなことを言っており、こと歌に関してはメンバー内でも有安杏果百田夏菜子の2人が優れているという認識があるんだなと思った。その際には詩織はともかく、れにとあーりんは最近うまくなってきているからなどとも思った。

   今回フォーク村で再確認したのはソロコンを経験した杏果の歌がただ「この子、歌がうまいね」などというのを完全に超えたレベルに成長しつつあるということだ。

 この日杏果がももクロでのアンサンブルではなく歌ったのは織田哲郎のギターで本人もエレキギターを弾きながら歌った近藤真彦「Baby Rose」と高橋洋子とデュエットした「魂のルフラン」の2曲のみだが、どちらも出色の出来栄えだった。

「Baby Rose」はエレキギターを持って歌った。実は、そのギターがKISSのポール・スタンレーから直接貰ったサイン入りのギターでこれって下手をすれば洋楽通のゲストミュージシャンの人にそのギターでいい加減な演奏をしたら承知したら許さないよ、この子、分かっているんだろうなと思われてもおかしくないところだが、おそらく杏果はそんなことは考えもしていないで、この子(ギター)も人前に見せてないから一度は見せてあげなくちゃぐらいの気持ちだったのだと思うのだが、自らハードルを上げまくるようなことになっているのが杏果らしい。

 結果的には歌の途中でブレイクが入るような相当に難しい歌だったのにかかわらず

(つづく)

セットリスト
オープニングソング:カツ丼 in da house (高橋みなみ)
M01:OPメドレー
いつか君が (高橋みなみももクロ/ももクロ)
→恋人達のペイヴメント (村長&ももクロ/THE ALFEE)
→七色シンフォニー (村長&コアラモード./コアラモード.)
→シャンプー (コアラモード.加藤いづみ/加藤いづみ)
残酷な天使のテーゼ (高橋洋子加藤いづみ/高橋洋子)
→いつまでも変わらぬ愛を (織田哲郎高橋洋子/織田哲郎)
→いつまでも変わらぬ愛を (OPメドレーオールキャスト/織田哲郎)
M02:大旋風 (ももクロコアラモード./コアラモード.)
M03:織田哲郎楽曲メドレー
想い出の九十九里浜 (ももクロ織田哲郎/Mi-Ke)
→なにがなんでも (ももクロ織田哲郎/桜っ子クラブさくら組)
→負けないで (ももクロ織田哲郎/ZARD)
M04:孤独は傷つかない (高橋みなみ織田哲郎/高橋みなみ)
M05:碧いうさぎ (高城れに加藤いづみ織田哲郎/酒井法子)
M06:おどるポンポコリン (ももたまい&織田哲郎/B.B.クィーンズ)
M07:夢見る少女じゃいられない (あーりん&高橋みなみ織田哲郎/相川七瀬)
M08:Baby Rose (杏果&織田哲郎/近藤真彦)
M09:BOMBER GIRL (ももクロ高橋みなみ加藤いづみ織田哲郎/近藤房之助織田哲郎)
M10:ガンガン (ROLL-B DINOSAUR/ROLL-B DINOSAUR)
Go!Go!GUITAR GIRLZ
M11:サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (GUITAR GIRLZ & ROLL-B DINOSAUR/ザ・ビートルズ)
M12:魂のルフラン (杏果&高橋洋子/高橋洋子)
M13:Fly Me to the Moon (れに&高橋洋子/Frank Sinatra)
M14:ふしぎなメルモ (夏菜子&高橋洋子/宇野誠一郎)
M15:行くぜっ!怪盗少女 (ももクロ高橋洋子/ももクロ)
M16:トリック・オア・ドリーム (ももクロ/ももクロ)

 

 

『三宅裕司と春風亭昇太のサンキュー歌謡曲一座~ナウなピースでこまっちゃうナ~だめだこりゃ編~』

三宅裕司春風亭昇太のサンキュー歌謡曲一座~ナウなピースでこまっちゃうナ~だめだこりゃ編~』 

 フジテレビで新しく始まった音楽番組だが、あえて「歌謡曲一座」としているように従来のように演歌の大御所を並べたナツメロ番組ではないが、新たな楽曲ではなく1960年代から80年の山口百恵結婚までを取り上げた音楽番組。JPOP前のあえて「歌謡曲」と言われていた時代の歌に焦点を当てた番組だが、その番組に山口百恵トリビュートのコーナーに息子の三浦祐太朗が出演したのを除けば唯一の若手の出演者としてももクロが呼ばれたのがファンとして嬉しかった。実はこれは今日明日の話ではなくて、これまで長期間をかけてももクロ陣営が手がけてきたことが実った瞬間でもあったからだ。

 実はアイドルグループでありながらももクロは2012年の横浜アリーナ2DAYSの1日目にはワイルドワンズが出演し百田加菜子ソロ曲の「渚のラララ」を共演したり、サプライズ発表のゲストとして松崎しげるが来場、西武ドームでの夏ライブの発表を行ったり、昭和の時代から活躍している大先輩の後継者を自認することを強く意思してきた。

ももクロの場合はその後も点と点を線でつなぐという戦略で南こうせつさだまさし坂本冬美アルフィー、最近では加山雄三とも急接近。一方でザ・ドリフターズを模したもリフというグループを演じドリフターズの楽曲をアレンジしたオリジナル曲も披露するなどをきっかけにライブに加藤茶高木ブーをゲストに招いたり、志村けんの番組に連続して呼ばれ準レギュラー的な扱いに遇されるなど自ら目標というザ・ドリフターズとの距離を徐々に接近してきた。今回ももクロが出演することになった経緯については詳しいことは不明だが、おそらくドリフ側(加藤茶高木ブー)からの強い引きがあったのではないかと想像できる。

 そうして、通常であればベテランばかりの陣容のなかで萎縮してしまってもおかしくないところだが、今回の出演者のうちにはドリフだけではなく、松崎しげるももクロのMVへの出演経験もあるコロッケ、MCを務める番組でいつも引き立ててくれる中山秀征らももクロが比較的親しいと感じられる陣容がそろっており、それも番組内でリラックスして振る舞える要因になっていたのではないだろうか。

 実際に行ったパフォーマンスは「3年目の浮気」とザ・ドリフターズ名曲メドレーの2回だが、いずれも番組後半のクライマックスでの出演でももクロのキャリアからすれば破格の扱いだったと思う。

放送日時
11月12日(日)19時~21時54分
司会
三宅裕司春風亭昇太
出演者(五十音順)
阿木燿子、井上順、岩崎宏美、黒沢博、小林幸子◎、こぶ茶バンド◎、コロッケ◎、小柳ルミ子、斎藤司(トレンディエンジェル)、さくらまや鮫島秀樹(元ツイスト/元HOUND DOG)、菅原洋一、中山秀征◎、橋幸夫布施明松崎しげる◎、三浦祐太朗ミッキー吉野ザ・ゴールデン・カップスゴダイゴ)、三根信宏(シャープ・ファイブ)、ももいろクローバーZ佐々木彩夏玉井詩織高城れに)、森昌子◎、ロザンナ山本リンダ
セットリスト
ザ・ドリフターズ名曲メドレー
  • ドリフ大爆笑のテーマ」
  • 「ドリフのズンドコ節」
  • 「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」
  • 「ビバノン・ロック」
こぶ茶バンド三宅裕司春風亭昇太ももいろクローバーZ佐々木彩夏玉井詩織高城れに
グループ・サウンズ名曲メドレー
【昇太ドリームバンド】
春風亭昇太(ボーカル&ギター)、三宅裕司(ドラム)、三根信宏(ギター)、ミッキー吉野(キーボード)、鮫島秀樹(ベース)
スタッフ
編成
橋口愛(フジテレビ)
演出
佐藤正樹
プロデューサー
若林美樹(フジテレビ)
制作著作
フジテレビジョン

ももクロと元SMAP(稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾)の「3人だけの72曲生ライブ」@AbemaTV

ももクロと元SMAP(稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾)の「3人だけの72曲生ライブ」@AbemaTV

 

 SMAPの熱心なファンというわけじゃないのだけれど人気グループになる前に演劇の舞台に出ている草なぎ剛稲垣吾郎を見て俳優としての実力に感心させられたことがあった。その頃から俳優集団としてのSMAPには注目し、ドラマなども折に触れ見てきた。

今は私がファンであるももクロドリフターズや嵐やSMAPのような息の長いグループを目指したいと以前から言い続けていることもあり、ジャニーズを退社した3人がどうなるかというのが気になった。

   もうひとつは新しい地図の3人が今回ももクロが主戦場としているネット配信の世界に入ってきたことで、目標のひとつであったSMAPももクロの距離が測れるのではないかということだった。

 そして、まず分かったのは(というかこれまでも薄々分かってはいたが、はっきりしたことは)、国立競技場でのライブを成功させたことなどで最近でこそ時折「国民的アイドルグループ」と呼ばれることもあるももクロではあるが、真の国民的アイドルグループとはどのくらいの人気なのかということについて改めて思い知らされたことだった。AbemaTV史上最高の7400万超の総視聴数というのはそのまま本当の視聴者数というわけではないとディスる声もネット上ではあるけれど、これがどの程度の数字なのかというと今年初めのももクロカウントダウンライブ「第二回ゆく桃くる桃 ~年またぎ笑顔 三昧~ 」が220万視聴越え(4時間)を記録しこれがその時点でのAbemaTV生中継史上初で、これだけでもネット中継の世界ではモンスターグループと呼ばれたものだが、これを1時間当たりに換算すると55万。一方、72時間ホンネテレビは7400万だから1時間当たり102.8万。単純計算で言えば単位時間倍近い総視聴数の差をつけられているわけだが、ももクロの方は大みそかの4時間という視聴数が伸びやすい時間帯。それに対し今回は再放送を流しただけの夜中の時間帯を含む数字だから本当はもっと大きな差があるかもしれない*1

 いずれにせよSMAPはずっと以前からももクロの目標だった。しかし、同じく目標に掲げたドリフターズはこれまで個々のメンバーとつちかってきた関係を基に今月12日放送のフジテレビ「三宅裕司春風亭昇太のサンキュー歌謡曲」に出演、ドリフターズ3人(加藤茶高木ブー仲本工事)と共演しドリフ名曲メドレーを一緒に演奏する。嵐も何度も番組に読んで貰い、嵐のライブにはおそらくジャニーズ側の招待でメンバーが見に行ったりとそれなりの関係は保ってきたが、ことSMAPに関しては完全にももクロ側の片思いでこれといった接点はこれまでなかった。

 興味深いのは先日行われた「ももいろフォーク村」でももクロが初めてSMAPの「ススメ!」を歌ったことだ。ももクロKinki Kidsの番組で「硝子の少年」を歌ったりもしているし、ジャニーズグループの歌を歌ったことはこれまでもあるけれど、この微妙な時期にこれまで歌ったことのないSMAPの曲を歌ったことは明らかにたまたまではない、はっきりした意図があるのは確かだ。

    それというのも曲を選んだのは地上波時代には「僕らの音楽」を担当、草なぎ剛をナレーターに起用したきくち伸プロデューサーであり、ジャニーズはCSには出ないため、これまでは呼べなかったが、退社した3人はそういうしばりがなくなるために虎視眈々とチャンスをうかがっているのは間違いないからだ。ももクロサイドも共演にこぎつければ実は有安杏果は子役時代に草なぎ剛と親子役を演じたことがあるなどの隠し玉も持っているのだが。 

    セットリストのうち◎をつけたものはライブないしフォーク村 などでももクロもカバーしたことがある楽曲。SMAPの歌は歌わないとしてもまずこのうちの何かで共演してほしい。

『3人だけの72曲生ライブ』のセットリスト
1.『学園天国』小泉今日子

2.『バンザイ~好きでよかった~』 ウルフルズ

3.『今宵の月のように』 エレファントカシマシ

4.『innocemt world』 Mr.Children

5.『キセキ』GReeeeN

6.『イージュー★ライダー』 奥田民生

7.『あの素晴らしい愛をもう一度』 加藤和彦北山修 ◎

8.『Around The World』 MONKY MAJIK

9.『WON’T BE LONG』 バブルガム・ブラザーズ ◎

10.『WOW WOW TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~』 H jungle with t

11.『ガッツだぜ!!』ウルフルズ

12.『CHE.R.RY』 YUI ◎

13.『涙のリクエスト』 チェッカーズ ◎

14.『LOVE SOMEBADY』 織田裕二

15.『スリル』 布袋寅泰 ◎

16.『ラブリー』 小沢健二

17.『OH MY LITTLE GIRL尾崎豊

18.『Diamonds』プリンセスプリンセス ◎

19.『HELLO』福山雅治

20.『愛してる』米米CLUB

 

21.『サイレントマジョリティー』 欅坂46

22.『打上花火』 DAOKO×米津玄師

23.『恋』 星野源 ◎

24.『少年時代』 井上陽水 ◎

25.『青空』THE BLUE HEARTS ◎

26.『僕の見たビートルズはTVの中』 斉藤和義

27.『奇跡の地球』 桑田佳祐&Mr.Children

28.『SOMEDAY』 佐野元春

29.『いつか』 ゆず

30.『涙のキッス』 サザンオールスターズ

31.『不滅の男』 遠藤賢司

32.『ひまわりの約束』 秦基博 ◎

33.『Romanticが止まらない』 C-C-B ◎

 

34.『PON PON PON』きゃりーぱみゅぱみゅ

35.『R.Y.U.S.E.I.』 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE

36.『前前前世』 RADWIMPS

37.『愛は勝つ』 KAN ◎

38.『君をのせて』 井上あずみ(『天空の城ラピュタ』主題歌)

39.『Hello, my friend』 松任谷由実

40.『いつかのメリークリスマスB’z

41.『恋しくて』 BIGIN ◎

42.『アララの呪文』 ちびまる子ちゃんwith爆チュー問題

43.『やつらの足音のバラード』 かまやつひろし

44.『心の旅』 チューリップ  ◎

45.『さらば恋人』 堺正章 ◎

46.『ハナミズキ』 一青窈 ◎

47.『歌うたいのバラッド』 斉藤和義

48.『ら・ら・ら』 大黒摩季 ◎

49.『ultra soul』 B’z

50.『負けないで』 ZARD ◎

51.『HOWEVER』 GRAY

52.『PRIDE』 今井美樹

53.『いとしのエリー』 サザンオールスターズ

54.『翼をください』 ◎

55.『ヘビーローテション』 AKB48 ◎

56.『LOVEマシーン』 モーニング娘。 ◎

57.『ピンク スパイダー』 hide with Spread Beaver

58.『Don’t wanna cry』 安室奈美恵

59.『君がいるだけで』 米米クラブ

60.『歩いて帰ろう』 斉藤和義

61.『時の過ぎゆくままに』 沢田研二

62.『強く儚い者たち』 Cocco

63.『クリスマスソング』Back number

64.『とんぼ』 長渕剛

65.『Runner』 爆風スランプ

66.『大迷惑』 ユニコーン

67.『止まらないHa〜Ha』 矢沢永吉

68.『ファイト!』 中島みゆき ◎

69.『チェリー』 スピッツ

70.『上を向いて歩こう』 坂本九 ◎

71.『雨あがりの夜空に』 忌野清志郎

72.『72』 稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾

 

simokitazawa.hatenadiary.jp

*1:ただ、ももクロカウントダウンライブはAbemaTVの単独中継ではなく、時間帯によりフジテレビNEXT、テレビさいたまの3元同時中継であったことも逆に考慮する必要はあるかもしれない

『坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』 第77夜「OVER DRIVE」@フジテレビNEXT

坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』 第77夜「OVER DRIVE」@フジテレビNEXT

 日本武道館でのソロコンを終えて、「ココロノセンリツ」終了宣言をした有安杏果がどんな曲を披露するのかが今回の焦点だろう。

  これまでももクロ現場で歌うことを固辞してきたソロ曲を解禁するということがあり得るのか(可能性は低いと考えている)。自分で作詞作曲した歌はやらなくてもせめて提供を受けた曲である「トラベル・ファンタジスタ」か「遠吠え」を歌ってくれないだろうか。あるいはそれが無理ならばソロコンで歌った宇多田ヒカルの「ファースト・ラブ」かEXILEの楽曲をやってくれないだろうか。いずれにせよ今月も楽しみである。

  という風に見る前に書いたが、冷静になって考えてみれば番組準備の進行上、当然杏果のソロコンをきくちPが見る前に今月のセットリストはほぼ固まっていたであろうし、アルフィーの楽曲のカバーが中心で、その他も元ジェディマリのTAKUYAとの共演ブロックなどグループとして全員ないしほぼ全員で歌う曲がほとんどで、ソロ曲(自分の曲というのではなく、メンバーの誰かがひとりで歌う曲)もなかったから、杏果のソロ曲を入れたくても今回のセットリストには入れようがなかった。

 アルフィー楽曲がメイン主題の今回の放送だが、それでもハイライトはTAKUYAの演奏でSMAPの「ススメ!」をSMAP楽曲としては初めてももクロが歌ったことだ。これがとてもよかった。実はこのTAKUYAブロックではこの日の表題でもあり何らかの形でからむとは思われていたJUDY AND MARYの「Over Drive」がまず歌われ、続けて作詞作曲ともがTAKUYAである「イロトリドリノセカイ」が歌われた。TAKUYAはJUDY AND MARYの解散についてはいろんな思いがありすぎるのか、これまでジュディマリ曲はやらないという類の発言を繰り返してきたのが、GARLSFORKTORYでエビ中に提供した「紅の詩」を演奏するために登場した時に続けてジュディマリ曲を演奏。すでに春のライブでの共演経験があった夏菜子がここですかさず「今度はぜひ私たちと一緒に」と一声掛けた。

ももクロの醍醐味は点と点を結んで線にしていくことだから、この時点で遅かれ早かれフォーク村かライブにTAKUYAが再び登場して今度はももクロジュディマリ曲を歌うことになるんだなと思ったはずだ。そして、そうであれば今回の「OVER DRIVE」という表題を見て皆がまでとは言わないが多くのモノノフがこうした展開を予想したはず。ところがこの日番組は何とTHE ALFEEの「Over Drive~夢よ急げ」から始まり、ここから連続で立て続けにTHE ALFEEの曲を弾きまくるという怒濤の展開(ここではモノノフ大好物だが、アルフィー大好きで知られる東京03飯塚悟志のサプライズ登場、「My Truth」熱唱という本当の意味でのサプライズもあった)。
 ところが先ほども一度書いたが私にとっての本当の驚きはこの微妙な時期にTAKUYAの提供曲だということもあってももクロ全員でSMAPの「ススメ!」を歌ったことである。しかもそれに続けて同じTAKUYAの演奏で自分たちの持ち歌の「未来へススメ!」を歌ったのだ。
先ほどもももクロは点と点を結び線を作っていくと書いたが、都合の悪い人に聞かれたら「たまたまです」と答えられる余地を残しながら、これは明確に解散したSMAPに対するエールとも取れるしなかんずく退所して「新しい地図」を作った3人に対するエールだというのは間違いなかろう。

M01:Over Drive~夢よ急げ (Z ALFEETHE ALFEE)
M02:
恋人になりたい (Z ALFEE&坂崎村長/THE ALFEE)
M03:メリーアン
 (Z ALFEE&杏果&あーりん/THE ALFEE)
M04:
シンデレラは眠れない (Z ALFEE&あーりん/THE ALFEE)
M05:
SWEAT&TEARS (Z ALFEE&杏果/THE ALFEE)
M06:
My Truth (東京03飯塚悟志THE ALFEE)
M07:
Theme From The KanLeKeeZ (還暦ーZThe KanLeKeeZ)
M08:
花の首飾り (あーりんTHE TIGERS)
M09:エメラルドの伝説
 (杏果ザ・テンプターズ)
M10:
好きさ好きさ好きさ (杏果&あーりん&坂崎村長ザ・カーナビーツ)
M11:
G.S. I Love You -あの日の君へ (杏果&あーりん&坂崎村長THE ALFEE)
M12:
誰よりもLady Jane (ももクロ&坂崎村長BEAT BOY)
M13:あの空に向かって (ももクロももクロ)

M14:
YELLOW YELLOW HAPPY (千秋&しおりん/ポケットビスケッツ)
M15:
Over Drive (ももクロ&TAKUYAJUDY AND MARY)
M16:
イロトリドリノセカイ (ももクロ&TAKUYAJUDY AND MARY)
M17:
ススメ! (ももクロ&TAKUYASMAP)
M18:
未来へススメ! (ももクロ&TAKUYAももクロ)
M19:明日なき暴走の果てに (ももクロ&坂崎村長/THE ALFEE)
M20:Musician (坂崎村長&ももクロTHE ALFEE)

 


 

ももいろクローバーZ AE限定「over.40祭り」@日本武道館

** ももいろクローバーZ AE限定「over.40祭り」@日本武道館

 

 

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開催日時 2017-10-21 (土) 
時間 開場 18:30 開演 19:30 終演 21:00
 ※終演時間はあくまでも目安になります 
 
出演者
ももいろクローバーZ
 百田夏菜子
 玉井詩織
 高城れに
 佐々木彩夏
 有安杏果

over.40 本日のセトリ

ピンキージョーンズ
猛烈
チャイマ
MC
夢の浮世に咲いてみな
Zの誓い
words of the mind
MC
黒い週末
believe
MC
DNA狂詩曲
走れ
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 ライブ途中でゲッタマンが登場しての体操の時間とか、女医の先生による予防医学的な注意事項、まったく意味不明の風景映像に合わせてピアノとギターの生演奏が行われるヒーリングタイム……。AE限定イベントおなじみの茶番的な企画は随所に挿入されるが、セットリスト自体は激しい動きのいわゆる「アゲ曲」が並びきわめて攻撃的。なかなか見所のあるライブであった。
  直前に行われた「学生祭り」では学生たちの年齢ではだれも分からないだろうと思われる「スクールウォーズ」がモチーフになったが、「over.40祭り」は客入れ時の音楽こそ80年代の懐かしめな選曲が目をひいたが、本編に入ると 「over.40」を逆手に取ったように「ピンキージョーンズ」「猛烈」「チャイマ」と最近でこそ以前よりやられる回数が減ってはいるが、ガッツリ系ライブの定番曲を並べた。コールがいつもより野太いのは年齢のせいもあるかもしれないが、男女比率でいうといつものライブよりも圧倒的に男性の比率が高いためだろうか。怒号のようなコールの迫力はいつもにも増して、大音量で会場に響いたが、もうひとつの特徴は最近話題になることの多い他アイドルの現場では普通だが、ももくろスタンダードMIXや「イエッタイガー」などのコールがまったく聞こえてこないことだった。
  おそらく、ももクロの他の女性アイドルと比較した場合の最大の特徴、そして武器は「over.40」のファンの層が分厚いことだろう。しかもこの年齢層はいろんなきっかけでももクロにはまった人がいても、いわゆるアイドルファンというのは少数で、アイドルだからではなくももクロだから応援しているという人たちが多いと思われる。最近は実はももクロだけでなく、他のアイドルの現場にも足を運ぶ機会が増えているのだが、スターダストプロモーション所属のももクロの後輩グループの現場ではこうした年齢層の客は多いとはいえず、この日は単純に計算しても武道館を満員にする観客が公演に来ているわけであり、しかも抽選にはずれている人や来られない人も多いのだから、これこそがももクロが他のアイドルが埋められないスタジアム級の会場を埋められる原動力だといえるかもしれない。逆に言えば10代など学生層への浸透はテレビの露出がほとんどないことからいまひとつであり、ファンクラブイベントということもあり、すべての客席を埋めることはできなかった*1
 この日のライブが画期的であったのは(正式にそうだという確認はとれていないももの)当日の客席を連番は別にして前から順番に年齢順に並べたのではないかと思われること。私は50歳代末なのではあるが、60歳代の知人と連番で登録していたため、左サイドではあるが、前から3列目という絶好のポジションに陣取ることができた。

以上のことを始まる前に書いたが、始まってみるとこの日も予想の上をいく展開。ハイライトは何と言ってもTAKUYAの演奏でSMAPの「ススメ!」を歌ったことだろう。

   

*1:とはいえ、ももクロ運営は観客動員をすべて実数で発表するが、他のグループで満員と発表している観客数よりは若干多いかもしれない。